チョコよりも〜
第三章


前回のあらすじ。

地球移住を狙うアスカー星人のチョコ爆弾により滅亡の危機を迎えた地球。

そんな時、ラングレー星の隣の星、キョウコー星から、何故か波動エンジンの設計図とメッセージが。

「根性入れてアチキの所までチョコ爆弾消去装置『コスモクリーナー』ばとりにきんしゃい。」

地球防衛隊NERVは旧帝国軍の戦艦『絵版下痢音』に波動エンジンを搭載。

今、地球の運命をかけ、14万8千光年(往復29万6千光年)のかなたへ旅立ってゆく。

絵版下痢音の生活班リーダー、綾波レイと戦闘班リーダー、碇シンジの愛を載せて・・・・

(元ネタ(ヤ○ト)の記憶が曖昧で、距離とクリーナーの名前に自信がありません。違う!と言う方、こっそりとメールで教えて下さいね。)

レイが好き。11595HITおめでとう! 記念投稿作品第三弾。

チョコよりも〜

〜愛のために激闘編〜

『レイ、運命のむこうに。』



時に西暦2016年2月14日 第三新東京市立第壱中学校校門前



投稿風景。

受け取ってもらえるか?作品評価が恐い・・・でも・・・などと思いながら出すメール。

う〜ん、青春だね。

・・・・・すいません。真面目にいきます。

登校風景。

いつの世界にもおそらく存在する風景。

運命の日、2月14日も例外ではなかった。

この日は土曜日。生徒達の中には登校中に既に下校後の事を考えている生徒もいた。

その中の一人、惣流・アスカ・ラングレーは考えるレベルが違ったが。

「シンジ!今日は早く帰ろうね。」

「うん。良いけどなんで?」

「バーカ、チョコを家で渡そうと思ってるからよ。」

「え!・・う、うん。ありがとう。」

微笑ましい光景。

『ふっふっふ、仕掛けはバッチリ。シンジ、今日が年貢の納め時よ!!そして・・・今日・・シンジとあたしは・・・・キャー!恥ずかしいわ!!』

しかし、アスカの思惑は微笑ましくはな。

幸せいっぱい謀略いっぱいのアスカ。

だが、禍福はあざなえる縄のごとし。

謀略はともかく幸せの裏には思わぬ落とし穴が・・・

ドキューン!ドキューン!!

突然の銃声!そして突如として煙がアスカ達を包む。

「ぐ!これは煙幕弾!!」

「その通りよ・・・弐号機パイロット。」

煙の中に響く声。

「その声は!・・・アンタね!ファースト!!」

「そうよ・・・馬鹿ね、貴女。」

「なんですって!!」

「昨日、わざわざ言いに来なければ・・・・」

「フ、フン。あたしは宣戦布告した上で闘う主義なのよ!!」

『しまった〜、言われてみればそうだったわ。』

「愚かね。所詮この世は『弱肉強食』『お肉は嫌い』『碇君は私のもの』よ。」

「ファースト!!」

「さようなら、弐号機パイロット。結婚式には呼んであげるわ。」

キュキュキュキュキュ!

『車のエンジン音!』

「させるか!!車なんて発進する前に乗り込めばいいのよ!!」

『発進する前・・・ならね。』

「出してください。・・・」

「了解!!ジェットミサトロン、発進!!」

ゴン!!

猛然と煙の中から発進する青いルノー。栗色の髪の少女を跳ねたのはきのせいだ!

走り去っていくルノー。いや、ジェットミサトロン。

盛大に跳ねられ、ぶっ飛ばされたアスカは右手の握りこぶしを震わせながら立ち上がる。

「ク!やってくれたわね、ファースト!!でも、こんなことであたしが諦めると思わないでね!!」

おもむろに携帯電話を取り出すアスカ。

プ、ルルルルルル、ルルルルル・・・ガチ!

「はい、もしもし?青葉ですけど。」

「ロンゲ!今すぐ車で第壱中学の前まできなさい!!」

「はあ?・・アスカちゃんか?」

「グダグダ言ってる暇はないのよ!すぐ来なさい!!」

「いや、悪いけどこれから用事が・・・・」

「・・・アンタ、一昨日『ヤング天国』で女はべらしながら飲んでたわね。」

「ブッ!!・・・なぜその秘密を・・・」

「後、確か国際公務員で有りながらバンドのアルバイトをしていたわね。」

「・・・・・・・・・。」

「公務員のバイトは厳禁!しかも、一昨日の事が知れれば婚約者のマヤはどんな反応をするかしらね。」

「・・・・・・・・・。」

「職とフィアンセ失いたくなかったらさっさと来なさい!!」

「はい!アスカ様!!」

グシャ!

電話を握り潰すアスカ。

「待ってなさいよ、ファースト!!・・・待っててねシンジ!白馬の王子様はやっぱりお姫様に助けられる運命なのよ!!」

・・・・あぁ、夢は形を変えてゆく。




ジェットミサトロン艦内(車内)




シンジはわけも解らず流されるままに車に乗った。

状況に流されるのは彼の得意技である。

もっとも、あの状態で正常に状況判断できる中学生はちょっといないが。

「一体どうなってるんだよ、綾波。」

当然と言えば当然のシンジの質問。

「・・・ごめんなさい。説明も無しに。」

レイはとてもすまなさそうに瞳を伏せながら詫びる。

「う、うん。・・・でも、ミサトさんまで・・・」

「ちがう、私は葛城ミサトではない!ミサトゲリオン零号機よ!!」

答える運転手。

その格好はポワ○リン(愛ある限り闘いましょう!この命、燃え尽きるまで!!)のアイマスクに黒のレザー、赤いマント。

どう見ても変装したミサトではなく、怪しいミサトである。

「はあ・・・・。」

「いいのよ、気にしないで碇君。」

「・・・うん。」

「・・葛城三佐。」

「はい。司令代理。」

『ミサトさんじゃないか・・・やっぱり。』

レイとミサトの会話はかなり間抜けだ。

「・・・そろそろ、計画LRSへ移行します。」

「(ニヤリ)・・・了解!!」

ゲンドウのニヤリもはだしで逃げ出すミサトのニヤリ。

それを見たシンジは脅えた小犬のように震えながレイにすがる。

「・・・いったい、何が始まるんだよ、綾波。」

「・・・・(ポッ)碇君・・・私を信じて・・・。」

「え?・・・うん。解ったよ、綾波。」

シンジは気づかない。

己を窮地に陥れているのは他ならぬ自分である事に・・・




いっぽう、アスカは・・・・




「この甘いマスク!!」

「輝く愛車!ジャガーXJR−15!!」(青葉の車はジャガーではないと思いますが作者の趣味でジャガーにしました。)

「響く美声!!・・・草薙さんゴメンナサ〜イ!!、負けられないんだよ!!」

「NERVオペレータ三人衆が一人!青葉シゲル!!」

「華麗に参上!!」

「・・・・青葉が茂ってるんでしょ?学芸会で木の役でもすれば。」

アスカ様・・・それは禁句では?

「・・・・・・・・・。」

「アホなこと言ってないで車だしなさいよ。」

「一体何処へ?(クオ・ヴァディス?〜汝、何処へいかん〜)」

「(ピクピク)NERV発信機企画A−23、登録番号A−17を追いかけて。」

「発信機?」

「そ!こんなこともあろうかと思ってね!!」

「どんなことがあったんですか?」

「うるさい!アンタは黙って車出せばいいのよ!!」

「・・・・はい。」

『ううう、マヤ。今日のデートは遅れそうだよ・・・でも、君を失うよりはマシさ・・・』

ジャガーは軽快な音と共に発進した。

運転手の心情とは裏腹に・・・・




またまたレイは〜レイのマンション〜




「ここまで来れば・・・大丈夫。」

レイは厳重に鍵をかけると携帯電話でNERVに電話をかけた。

『私だ。』

『碇司令、法律の改正は・・・』

『問題無い。先ほど改正した。』

『ありがとうございます。』

『あぁ、孫に期待している。』

『(ポッ)・・・はい。お義父さん。』

ガチャ!

ツーツーツー。

『碇君、ついに時がきたのね。』

レイはおもむろに服を脱ぎはじめた。

その様を見て真っ赤になるシンジ。

「あ!あ、あ、あ、綾波!!」

「碇君、・・・・好き。」

「え?え?え?・・・綾波。で、でも・・その・・・服!服!!」

「問題無いわ。第二話のあらすじでも言ったはずよ。」

「し、知らないよ。」

「碇君。」

下着姿でシンジに抱き着くレイ。

「綾波・・・・。」

「好き。・・ううん。愛してる。」

レイの赤い瞳がシンジの瞳を見つめる。

「心も体も一つになって・・・・私を愛して・・・」

「・・・・綾波。」

雰囲気に飲まれるシンジ。

あぁ、ついに年貢の納め時か?

「そうは、ブタ屋(問屋)が降ろさないわ!!」

バキッ!!

轟音とともに吹き飛ぶドア。

「シンジの愛のお姫様!アスカ参上!!」

「あ、アスカ!!」

「ち!弐号機パイロット!!」

「ファースト!シンジの熱い抱擁に抱かれるのはこのあたしよ!!」

「・・・どうしてここが。」

「簡単よ。シンジのYシャツに発信機を取り付けておいたのよ。」

睨み合うアスカとレイ。

間で震えるシンジ。

竜虎相打つ!!

「ファースト!シンジと結婚するのはこのあたし!!今日は大事な初夜なんだからアンタ消えなさいよ!!」

「弐号機パイロット。その言葉。そっくり貴女にお返しするわ。」

「あ、あの〜。」

「なに?シンジ(はぁと)」

「なに?碇君(ポッ)」

「僕たち中学生はまだ結婚できないんだけど。」

「それなら問題無いわ。お義父様が法律改正してくれたから。」

ノートパソコンを出しながら言うアスカ。

「シンジ。携帯貸して。」

「うん。」

アスカは手慣れた手つきでパソコンとモデムを接続し携帯からオンライン接続する。

もちろんレイも自分の携帯でさりげなく同じ事をしている。

「ほら。見て見てシンジ。」

「あ!本当に改正されてる。」

「でしょう!オンライン手続きもできるんだから。」

ガシッ!

シンジの右手はアスカにGETされた。

ガシッ!

シンジの左手はレイにGETされました。

「なんのまね?ファースト。」

「多分、貴女と同じ事・・・・」

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

『アスカ!行くわよ!!』

『目標。ノートパソコンのタッチパネル。』

「もらった〜!!」

「碇君!!」

「「ピー!!」」

問答無用で拇印を強要されたシンジ。

しかも、ほぼ同時に・・・

しかし、オンライン登録はns(ナノセコンド)単位で仕分けされている。

この場合、先に登録された方が受理され1nsでも遅れたほうは無効である。(重婚防止)

つまり方一歩のほうにはエラーが出るはずであった。

しかし・・・・・・・

「・・・・・・(ゴクッ)」

「・・・・・・(ゴクリ)」

「???????????」

「「登録確認。御結婚、おめでとうございます。」」

合成声がパソコンに同時にこだまする。

ns単位まで一緒だった登録は同時に受理された・・・・

この世には、神がいた。

この瞬間。

碇シンジは二人の妻を得た。

つづく




次回予告。

どうして?
アンタだからよ。
貴方の優しさが・・・
優しくなんか・・・無いよ。
優しいわよ・・・シンジは。
私達は、碇君の優しさを知っている。
僕は、ここにいてもいいんだ。
次回 愛のために完結編。

「僕、幸せです。」

ご意見、ご感想、誤字脱字はここへ。m8848@oka.urban.ne.jp