朝 〜レイ〜

 太陽が東から昇り、鳥たちがさえずり始め、街が目覚める。そして少女の一日が始まる。

ピピピ・ピピピ・ピピピ……カチャ

「………」

 少女は目覚まし時計を止めた。

「…グウグウ…」

 少女は時計を止めると、また眠りだした。そう、低血圧なのだ。

「グウグウ」

「スヤスヤ」

「グウグウ」

「スヤスヤ」

「グウグウ」

「スヤスヤ」

「…………」

 ジリリリリリー!!!ジリリリリリー!!!

「!!」

 カチャリ、 もう一つセットしていた大音量目覚し時計にようやく目を覚ます。がまだ眠たい。

「…眠たい…」

 少女は、「綾波レイ」エヴァンゲリオン零号機パイロットである。今にも崩れ落ちそうなアパートに一人で住んでいる。

「…」

「…」

「…」

 ベットに腰掛け動こうとしない。が何かを思い出したのか窓に向かう。

「空気の入れ替えをしないと」

 以前はこんなことはしないレイだったが、碇シンジの言葉で色々としているのだった。

「碇クン、私、毎日やっている…」

 シンジのことを思いながら洗面台に向かい、冷たい水で眠気を飛ばし、シンジに選んでもらったパジャマを脱ぎ、制服に着替える。

「選んでもらったパジャマ、うれしい…」

 レイはわずかに頬を赤らめ、シンジが選んだパジャマを見つめる。

 ・・・・・・・五分経過。 レイはパジャマを見つめたまま、とまっている。

「はっ、いけない 朝ごはんの支度をしないと」

 ようやく現実に戻り、以前では考えられなかった朝食の支度をする。これもシンジの影響だ。台所に行きパン、サラダ、目玉焼きなど用意する。

 配膳がおわり、手を合せる。

「いただきます…」

 その言葉には元気が無い。

「クス、グスン…碇クンと食べたい…」

  紅い瞳に涙が浮かぶ。

「モグモグモグ、モグモグモグ…おいしい」

 瞳に涙を浮かべても、レイは食べつづけた。シンジに朝食はきちんと取らなければいけないと、言われたので。

「ゴクゴク、ゴックン…ごちそうさま」

 牛乳を飲み干し、手を合せ朝食がおわる。食器を洗い、身支度を整える。

 サッサッ、ブラシを髪にとおす。ブラシもシンジが選んでくれたもの。

「今日の髪型、碇クン気に入ってくれるかな?」

 レイは他人から見ればいつもと変わらない髪形だが、本人にとっては微妙に違うシンジの好みにしているのであるが、シンジは気づかない。

 ブラッシングを終え鏡をみる。

「碇クン……」

「……」

「……」

「……」

・・・・・・・五分経過。 シンジのことを思うとレイだけ時がとまる。

「はっ、いけない 用意をしないと」

 現実に戻り、学校の用意を始める。玄関に急ぎ靴をはき、外にでる。朝の光がまぶしく、レイは瞳を細める。心に思う少年を考え。

「…いってきます」

 誰もいない部屋に返事をして、学校に急ぎ足で向かう。

 その急ぎ足は、少年に早くアイタイためか、それとも……遅刻が気になるのか。

 

 

おしまい


  短すぎました。レイの性格が少し?違っています。レイファンの方々すいません。

  こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 朝 〜レイ〜

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