渚カヲル:15歳。シンジと同じく、スポーツ推薦で私立NERV高校入学。

綾波レイは遊撃手

第参話


 渚カヲル。レイと同じく14歳以前の経歴は不明。野球は中学2年の頃始めたが、持ち前(?)の天才的な運動神経により数々の大会へキャッチャーとして出場。かなりの成績を残している。顔はハンサムだが、変わった性格(変態か?)をしているため、殆どの人から敬遠されている。

 「歌はいいねぇ〜」

カヲルの決め(?)ゼリフ。

 「歌は心を潤してくれる」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・一方、シンジ達は朝食も終わり、待望の『デート』(キャッチボール)を始めた様だ。(って、カヲルの出番が・・・短い)

 「じゃぁ。はじめはゆっくり行くよ!」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 「?。どうしたの?」

 「・・これ、どうやって使うの?」

グローブの使い方がわからないらしい。・・・って、シンジはさっき説明して無かったのか!?

 「あ、あはは・・・(泣)」

こっちが泣きたいわ。<何でだよ?

 「あ、ごめん。てっきり知ってるかと思ったから」

 「・・・どうしてそう言うこと言うの?」

 「・・・え?・・あ、ごめん。これはね、グローブって言うんだけど・・・」

シンジはグローブの説明を開始した。但し、レイは使い方を聞いているのにシンジはグローブの起源やら歴史やらを説明しだしていた。

 「・・・だから、どうやって使うの?(怒)」

少しキレ気味のレイ。

 「あ、そうだったね。えっと〜」

と、言ってシンジはレイの手にグローブをはめてあげた。さっきまでキレ気味だったレイだが、今は別の意味で顔を真っ赤にしている。

 『碇君の手に触れてしまった・・・』

だ、そうです。

一方のシンジはのほほんとしている。

 「じゃ、始めようか!」

 「・・・・・・・・・・『碇君の手に触れてしまった・・・』」

 「???」

まだ意識の戻らないレイ。シンジはそんなレイの状況を見て、ただクエスチョンマークを浮かべるだけだった。

 「(爽やかな口調で)やぁ!何を二人で見つめ合っているんだい?」

突然登場のカヲル。

 「あ、いや、ぼぼ僕は別に・・・・・(汗)」

 『見つめ合う?そう、私は碇君と見つめ合っているのね。うれしい』

お決まりの反応をかますこの二人。でも、何かイイぞ(何が?)。

 「(シミジミと)うんうん。春だねぇ」

ほぼ意味不明の発言をするカヲル。

 「・・・・・・・・・・」

 「・・・・・・・・・・」

放心状態のシンジと意識不明のレイ。

 「春はいいねぇ。でも、僕は秋がいいな。ああ、愛しのマツタケよー」

完全に意味不明な発言をするカヲル。

 『・・・はっ、まずい。このままでは何も出来ないまま一日が終わってしまう(汗)』

泥沼から一番早く抜け出したのは、シンジだった。

 「あ、の。とにかくさ、キャッチボール始めようよ。カヲル君もせっかくだからどう?」

 「(シミジミと)キャッチボールか、僕の無き先祖はキャッチボールより、フォアボールが好きだったなぁ」

さらに意味不明になるカヲルであった。

 『・・・はっ。そうだわ。私は碇君とキャッチボールをするの。』

 「・・・・碇君。はじめましょう。」

レイは意識を取り戻した。

 「うん。でもカヲル君はどうするの?・・・・カヲル君?」

カヲルは何故か逆立ちをしていた。

 「・・・カヲル君・・・一体何を・・・(ワナワナ)」

 「え、いや。僕はフォアボールもいいけどファウルボールもいいと思ってさ(ニッコリ)」

 『この人と友達に成ったのは間違いだった・・・』

作者も同感。

 「・・・碇君!(怒)」

またまたキレそうなレイ。

 「あ、ごめんごめん。投げるよ」

カヲルを無視する事に決めたシンジであった。

 びゅーん・・・・・ポロッ

 「・・・・あっ(泣)」

ボールを落として泣きそうになるレイ。こんな事で泣きそうに成る所も、非常にかわいい。

 「あっ、大丈夫だよ綾波。最初なんだから。今度はそっちから投げてよ」

相変わらず優しいシンジ。レイもさっきより幾らか落ち着いた様で、力一杯ボールを投げてきた・・・・・が。

 ドビューん・・・・・ポチャッ

レイが投げた球は、三時の方向に有った公園の池へ着水(沈んだろーが)した。しかし、幾ら初めてでも90度も投げる方向間違えるか、普通?

 「・・・・・あっ・・・・・・・(泣)」

今度は本当に泣き出してしまった。それどころか、泣きながら逃げ帰ってしまった。

 「あ、綾波ぃ!!!」

シンジがそう叫んだ頃には、レイの姿は既に無かった。

 「どうしよう、僕のせいだ。僕のせいだ・・・うわぁぁぁ!!!綾波!!」

と、シンジは既に姿の無いレイを追いかけて全速力で走り出した。・・・それより、これはシンジのせいでは無いと思うぞ。ホントに。

 「マツタケ君は僕にとって好意に値するよ♪」

カヲルは今だ暴走(妄想)中。


 「どうしよう、綾波何処いったのかな」

すでに、42.195kmも走り回っていた。

 「家に行っても誰もいないみたいだし・・・・ホントに何処行ったのかな・・・はぁ」

ホントに何処行ったんでしょう?(爆)

 「でも綾波、コントロールはともかく、100m以上も投げるなんて凄すぎる・・」

公園の池は、綾波のいた所から128mの場所に有った。

 「実は綾波って野球の才能あるかも」

そうか?遠投はともかく90度も送球をそらされたら、たまったもんじゃ無いぞ。

 「・・・本当?碇君・・・」

 「えっ?・・・綾波!?」

何と言う都合主義!綾波は調度その言葉を聞いていた。

 「・・本当なの?・・碇君」

いや、作者は断じて違うと思う。

 「う、うん!勿論だよ。女の子でしかも初めてで100m以上も投げるなんて驚異的だよ!」

確かに驚異的ではあるが・・・・・・・。

 「・・・よかった・・・」

 「・・じゃぁ、帰ろうか綾波!」

って、シンジは家違うだろ!

 「・・・・ええ(ニッコリ)」

「ええ」じゃ無いだろ・・・って、レイの笑顔かわいいよぅ。
(・・・・・ん?良く考えれば家が違ってもさっきのセリフは不自然ではなかった・・・)

 「晴れたる青空漂う雲よ♪」

渚カヲルが現れたようだ。って、こいつはまだ暴走してるのか?

 「歌はイイねぇ♪」

レイとシンジは、カヲルのその先のセリフは聞かずに帰路についた。

 『僕は要らない存在なのか〜?(涙)』

YES。と、言いたい所だが、後々のストーリーには一応必要だ。
(多分・・・・)

 『一応って何だぁ!多分って何だぁ!!(号泣)』

カヲルよ。少し黙っていたまえ・・・・・。

 『・・・・・・(沈黙)』


次の日、昨日の三人は特に問題もなく(カヲルを除く)、何故か三人一緒に学校へ登校していた。

 「綾波、野球部は結構大変だけど、本当に大丈夫?」

 「・・・ええ、問題無いわ」

 「・・・・・・・『僕は要らない存在なのか〜?(涙)』」

 「でも、昨日みたいにさ、あさっての方向へボール投げてたら駄目だよ」

 「・・・・どうしてそう言うこと言うの?(怒)」

 「あ、・・・いや・・(汗)」

 「・・・・・・・『一応って何だぁ!多分って何だぁ!!(号泣)』」

 「・・で、でも本当に気をつけた方がいいよ。結構あの先生のしごきはキツイから」

 「・・だから、どうしてそう言うこと言うの?(怒々)」

 『・・・・・・(沈黙)』

・・・・・、一体何なんでしょう?(汗)

とにかく、そうこう言っているうちに学校へ着いたようだ。

 「おーい、おっはよー。碇ー♪」

シンジと同じクラスの吉岡ショウジだ。

 「あ、おはよー。吉岡」

この二人、何故か仲が良い。

 「とっころでさぁー。俺も今日から野球部員だからよろしくなー♪」

 「え?・・・・」

野球部員がドンドン増える今日この頃。しかも、とーとつに。

 「吉岡って野球やってたっけ?」

 「何言ってるんだよ?俺達先週合ったばっかりだぜ?」

 「・・・・・」

どうも、話がかみ合っていない。

 ガラッ!!

そこへ、ケンスケ先生の登場である。

 「起立!礼!着席!」

すぐさま号令がかかる。

 「はい、みんな〜。今日は予告どうり学力テストを行うぜぇ〜」

入学早々テストである。まあ、スポーツ優待生として入学したシンジには、テストの点が悪くても特には問題ないのだが。
それにしても、なんとなく今日はケンスケ先生のノリがいい。

 「カンニングなんかしたら、即刻退学だぞ!しっかりやれよ!」

と、言って手に持っているテスト用紙を配り始める。・・・しかし、カンニングで即刻退学は厳しすぎるぞ!?

なんて事でテストが始まった。シンジは根が真面目なので、一応一通り中学時代の内容を復習してきていた。しかし・・・・・・。

 「「「「「「「なんじゃこりゃぁ!!?」」」」」」」

クラス中の人間が大声で叫んだ。

 「ん?どうした?テスト中に大声出しちゃ駄目だぞ」

 「・・・て、先生。何ですかこの問題は?」

テスト問題の内容は、正しく相田ケンスケの趣味によるもの(言わずと知れた軍事とカメラ)だった。

 「・・・あー、いやー。ばれた?」

ばれるも何も無い。教室中の生徒が呆れかえっている。
ただ、レイとシンジは真面目な性格のため、ショウジは自分の趣味に合っていたため、カヲルはヤケクソになったため、真剣にテストを解いていたそうだ。
ちなみに、このテストの結果は、レイ100点・ショウジ80点・シンジ69点・カヲル12点・その他の生徒は全員0点となった。

レイは、持ち前の知識の多さで満点だった。ショウジは軍事問題全問正解+多少のカメラの知識で80点。シンジは軍事にはかなりの知識が有ったので、その点数。カヲルは?と、言うと、やけくそで書いた解答のまぐれ当たりの点数だ。他の生徒たちは解答を書かなかったので0点。

 「いやー。さっきのテストはまいったねぇ」

テストの時間が終わり、休み時間に入った途端、ショウジはシンジに話し掛けた。

 「うん、そうだね。結構難しかったよ」

問題の難易度ではなく、内容を気にして欲しい。

 「そうだね。僕なんか殆ど当てずっぽうで書いたよ」

めずらしく、まともな事を喋るカヲル。

 「ははは・・・。ところで綾波は出来たの?」

 「・・・問題無いわ」

こちらはお決まりのセリフ。

 「問題が無かったら問題は解けないよ♪」

カヲルが、また壊れ出した・・・。

 『相手にしちゃ駄目だ。相手にしちゃ駄目だ。相手にしちゃ駄目だ。相手にしちゃ駄目だ。相手にしちゃ駄目だ・・・・・・・。』

と、これはシンジ。

 「カヲル君。そう言うシャレ、嫌いじゃ無いよ」

と、これはショウジ。

 「・・・どうして、そう言うこと言うの?(怒)」

怒った顔が今日もかわいいレイちゃんでありました。

第参話 完

 注:)吉岡ショウジは作者が勝手に作ったオリジナルキャラです。EVAには居ません。又、作者と同姓ですが、作者との関係もありません。
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