第四話
時は昼休み、シンジ達は会話を楽しんで(?)いた。
「歴史は繰り返す。しかし、僕らはその過ちを繰り返してはならないんだよ♪」
カヲルがまた何か話してる。
「ところで霧島さんって人さぁ、入学してから一度も登校して無いみたいだね」
カヲルの話を無視してシンジが言った。
確かに霧島マナは一度もこの高校へ登校していない。教室には『霧島マナ』と書かれたネームプレートが貼ってある席が有るのみだ。
「ああ、マナの事?マナは春休みに事故にあって怪我で入院してるんだ」
ショウジが無表情に言う。
「え?吉岡って霧島さんの事知ってるの?」
シンジが当然の疑問を問う。
「うん、まーね。これからお見舞いにでも行って見るかな♪」
「え?今?」
「モチロンだよ♪シンジも行くかい?」
「午後の授業は?」
「そんなのコネで何とかなるよ♪」
何のコネだ?
「みんなも行こーよ♪マナにみんなを紹介したいしさ♪」
「・・そんな事言ったって・・・(困)」
「・・・・・!!!(威圧的眼差し)」
「・・・・行きます・・」
と、半強制的にショウジはみんなを連れてマナの居る戦略自衛隊病院へ午後の授業をさぼってまでお見舞いに行きました。
それにしても、ショウジのノリってカヲルのノリと似てる・・・・。(所でコネって何だ?)
場所は戦略自衛隊病院。マナの病室。
「マナー!会いたかったよ♪」
「ショウジぃー!」
病室に来るなり二人はそう言って抱き合っていた。だいぶおおげさな人だ。
「マナ。怪我の具合はどうだい?」
「見ての通り、あと1週間は入院ね。残念だけど」
マナの怪我はかなりのものだったらしく、手などにまだ包帯が巻いてある。
「でも、本当に来てくれて嬉しい♪私を心配してくれるなんて♪」
「当然のことさ、君のためだったらN2爆弾の爆風の中へだって喜んで飛び込んで行くさ♪」
「・・そんな・・でも嬉しい♪」
「・・・・・マナ・・・・・」
「・・・・・ショウジ・・・・・・」
二人は何時もこうなのだろうか?(汗)
「・・あ、あの・・(汗)」
永久にこのままだと非常にまずいので、シンジが声をかける。
「・・・・・マナ・・・・・」
「・・・・・ショウジ・・・・・・」
状況は何も変わらない。
『・・・ふふふ、N2爆弾か・・・試して見る価値はあるかな・・・』
カヲルは怪しさ爆発の笑みを浮かべている。
「・・・・・・『・・・ああ、私と碇君もいつかはこんな関係に・・・・(赤面)』」
レイは可愛いので何を考えていても許す。
『うー。僕はどうしたらいいんだ。教えてよ、母さん・・・(涙)』
ノーコメント。
「・・・き、君達。そこで何を・・・」
「あ、冬月先生・・」
第三者から見ると非常に奇妙な光景だったのだろう。往診に来た冬月先生は、ここにいる人間を全員診察しようかとも考えた程だ。
「・・ま、まあいい。所で、マナ君。どうだい調子は?」
「はい、おかげさまで」
冬月先生の登場でなんとか場の雰囲気は通常レベルまで戻った様だ。
「そうか、しかし退院まではまだかかるぞ。油断してはいかんな」
「はい♪」
「それじゃぁ、私はお邪魔な様なので失礼するよ。お大事にな」
と、言って冬月先生は姿を消した。しばらくするとシンジ達は思い出したように自己紹介をはじめる。
「あ、そうそう。僕は碇シンジ。野球部所属。15歳。宜しくね」
「・・・私は綾波レイ。野球部所属。15歳。宜しく・・」
「僕は渚カヲル。野球部所属。15歳。宜しくね♪」
何だか、内容がみんな同じ事言っている様な・・・・。
「そんで、僕はもちろん吉岡ショウジ。野球部所属。15歳。あらためて宜しく♪」
「へぇー。ショウジもみんな野球部なんだぁ」
そう言えば確かにそうだ。
「じゃー。私も退院して学校へ行ったら野球部のマネージャーにでもなろうかな♪」
「!!!!!!ホント?!!っしゃぁぁぁ!!!!」
心底嬉しそうなショウジ。しかし、そこまで喜ぶか?
「ホント?歓迎するよ」
普通に嬉しそうなシンジ。
『・・・碇君が喜んでる・・・私の時は全然そんな感じじゃ無かったのに・・・・そんな・・碇君・・・・(泣)』
非常に悲しそうなレイ。しかし、シンジに散々心配してもらってそれは無いだろう?(笑)
「・・ふふ、わかっているよ。マナさんがなりたいのは、野球部のマネージャーでは無くショウジ君のマネージャーだって事はね」
「あら、そんなの当然よ」
「もちろんだよ」
即答。カヲルは会心の一撃をくらわせたつもりだったが、この二人には効く訳はなく、カヲルは反撃を食らって撃沈。はっきり言ってこんな攻撃をするなんてカヲルの思考回路は「8080」(8ビットCPU)並だ。(ちなみにi486は32ビットCPUで、Pentiumシリーズは64ビットだ)
「・・・愛してるよ、マナ」
「・・・ふふふ、わたしもよ。ショウジ」
ヤバイ。これでは「レイが好き」のレイとシンジ状態では無いか・・・(汗)
『・・・どうして?この作者はアヤナミストじゃ無かったの?・・・何故私と碇君を一緒にしてくれないの・・・・・(涙)』
・・・いや、その、作者は正真正銘のアヤナミストであって、レイとシンジはもちろん一緒にする予定なのですが・・・。・・・う、お願いだから泣かないでくれぇ〜〜〜(号泣)。
時は放課後。シンジ達は学校に戻っていた。どうやら部活には間に合ったらしい。
「ほな、新入部員のお手並み拝見といきましょか」
「「「「「オッス!!!」」」」」
今日は一年生部員の実力をテストする日。ここで良い成績を出せば、一年でもレギュラーに入れる。それだけにみんな気合十分だ。(しかし野球部で『オッス!』って・・・)
テスト内容は、野手はノック(守備)と打撃試験、投手は投球試験だ。
「まずはシンジからや」
シンジが投球を始める。申し分の無い成績。次にショウジ。彼も高成績。
「よっしゃ、ほな次は野手やで。まずは綾波!」
シンジの一番の不安材料であるレイ。しかし、彼の意に反してレイの成績も非常に高かった。ノックも全て捕球できた。打撃も10球中、ヒット4、二塁打2、ホームラン3、ファーストゴロ1、という成績だ。
『あれ?この前より物凄くうまくなってる。何でだろ?』
確かにレイの能力はこの前のキャッチボールをした時から考えて、高すぎる。あの時はシンジが投げたゆるい球でさえ、捕球出来なかったのだから。
「ほぉ〜。やるやないかぁ綾波。今年の一年は出来の良いのばかりやな。これなら一年だけでレギュラー組めるかもしれへん」
『・・・よかった・・これで碇君と一緒に試合に出られる・・・・あれだけ練習したんだもの・・・・(笑顔)』
レイ。君は一体どんな練習を・・・・・(汗)。
「よっしゃ、次はカヲルや!」
「了解!!」
了解?
『ふふふ・・・僕の実力を見せてあげるよ。・・でも普通じゃつまらないな・・・・(不気味な微笑)』
とりあえずノックが始まった。しかし嫌な予感。
カキーン!!
監督の打ったボールが飛んでくる。
『・・・・ふふふ・・・ふふふ・・・・ふふふ・・・・????』
カヲルの様子がおかしい。
ゴッチーンッ!
「ほひゃっ!?・・・・・・・・バタッ!!」
ボールはカヲルの脳天を直撃し、カヲルは何とも間抜けな断末魔(笑)をあげて倒れた。
『し、しまった。何か普通じゃ無い事をやろうと考えている間に・・・・・(意識不明)』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
この時点で、カヲルの明日からの特訓地獄行きが決定した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」(シンジ)
「・・・・・・・・・・・・・・・・」(レイ)
「・・・・・・・・・・・・・・・・」(ショウジ)
みんな、気持ちはわかるよ(苦笑)。
・・・・・に、しても本当に大丈夫なのか?カヲルって・・・・。(本気で心配)
あとがき
こんにちは、吉岡です。とうとう『鋼鉄のガールフレンド』を購入しました。ダイエー日本一で、メディアバレー(ダイエー系列のPC店)行ったら一割引で売ってたので買っちゃいました。驚いたのは霧島マナが思っていたより可愛かった事。さすがに綾波レイにはかないませんが、エヴァキャラクターで二番目に私のお気に入りのキャラになりました。・・・・と、言うわけでこの小説にも霧島マナの登場です。ただ、『鋼鉄のガールフレンド』に感動した勢いで登場させてしまったので、最初に思い描いていたシナリオから約10%程の誤差が・・・・。こんなはずでは・・・・。しかもカヲルの暴走が予想以上に加速して、更に5%の誤差が・・・・。・・・何とか修正しなくては。ぎりぎり許容範囲だ・・・・(苦)。
所で、『鋼鉄のガールフレンド』の『鋼鉄』って結局何の事だったの?(爆!)