第伍話
「・・退屈しちゃった」
場所は戦略自衛隊病院。マナの病室。
「そうだ、ショウジに電話しよっと♪」
マナはそう言うと、器用に左手だけで電話をかけた。・・・って、電話なんて何処に有ったんだ?(ちなみに一人で起き上がれない彼女は病院の公衆電話まで電話をかけに行くのは不可能)
『・・・お客様のおかけになった電話番号は現在使われておりません・・・』
「はにゃ?」
マナが非常に間抜けな声を出す。まあ、無理も無いが。
「あれぇ?ショウジの電話番号なら目をつぶっても押せるのに」
これは比喩表現では無く、マナは本当に目をつぶってダイヤル出来るのである。
「もう一回かけて見よっ。・・・・・・・・・ピッポッパッ・・・・っと」
『・・・お客様のおかけになった電話番号は現在使われておりません・・・』
「うー。なんでー?(泣)」
マナはこの日、一日中電話をかけ続けたとの事です。
「何でかから無いのー?もう日が暮れちゃったじゃない!」
やり過ぎだ。
「えーーーん!!!(号泣)」
ちなみにショウジは・・・・。
「・・まったく、ゼーレもうるさいんだよな。もう辞めてから何年も経つのに」
ショウジには毎日のようにゼーレから『もう一度密偵をやって欲しい』と言う内容の電話がかかって来る。
「番号変えたって言うのにまだかかってくるよ。ゼーレにわからない様に変えたのに〜〜(泣)」
ちなみにカヲルは・・・・。
「・・・ふふふ、ゼーレにショウジの電話番号を密告したら200万円もくれたよ。ショウジにはもっと番号を変えてもらわねば・・・・(悪魔の微笑)」
悪人が一人。ちなみにカヲルは、事情を知ったショウジに叩かれ、ショウジは電話番号を教えなかったことでマナに叩かれたらしい。さらにマナはショウジを叩いたあと、凄く心配したんだと泣き出し、ショウジはそれをなだめ、無事に仲直りしたらしい。
「・・・愛してるよ、マナ」
「・・・ふふふ、わたしもよ。ショウジ」
「僕は要らない存在なのか〜?(涙叫)」
カヲルや、君には話をかき回して面白くするという大事な役目が有るのだよ(冷酷)。
「ああ、何も問題無い・・・・」
時を同じくして、ゼーレの最高議会が開かれていた。
何故か知らんがゼーレのナンバーワンは碇シンジの父親の碇ゲンドウが務めている。
「しかし、良いのか碇?彼無くしては例の計画に支障がでるぞ?」
ゼーレのナンバーツーの冬月コウゾウだ。普段は戦略自衛隊病院の医師を務めている。
ちなみに、『彼』とはもちろん吉岡ショウジの事だ。
「・・・問題無い」
「・・・・では、君の息子の方はどうするつもりだ?噂によると、彼と一緒にNERVの野球部に入ったそうじゃないか」
「・・・・・・・」
「二人ともNERV側に居るのは、流石に放っておく訳にも行くまい?」
「・・・問題無い・・」
「・・それしか言えんのか・・・碇・・」
コウゾウも流石に呆れて来た。
「・・・問題は、レイだ」
初めてゲンドウが意味の有る言葉を喋った。
「・・碇、レイにこだわり過ぎだぞ」
「・・・・・・・・」
「レイはこの計画には殆どかかわりが無い・・・・碇、目を覚ましたらどうだ?」
「・・・嫌だ・・」
「・・・・・・・・・・・(汗)・・・・・何故だ?」
「これは私とシンジとレイの問題だ」
「・・・もういい、好きにしろ・・・・」
と、ゼーレのナンバーワン、ツーが訳の分からん議論をしていた所、一人の部下があらわれた。
「閣下!皇帝陛下がお見えです!!」
「・・わかった。すぐに行く・・・」
その言葉を合図に、そこに居た全員がこの部屋を出て行った。
「・・・・腹水盆に帰らずとは、良く言ったものだな・・」
このコウゾウのセリフには、特に意味は無かったらしい(爆)。
・・・・それから数ヶ月、夏の甲子園の地方大会もまじかに迫って来た。
ちなみにスタメンは以下の通り。
一番打者:碇シンジ(ピッチャー)
二番打者:渚カヲル(キャッチャー)
三番打者:綾波レイ(ショート)
四番打者:バルディエル(センター)
五番打者:タブリス(レフト)
六番打者:ゼリエル(ライト)
七番打者:ペンペン(サード)
八番打者:シャムシエル(ファースト)
九番打者:サキエル(セカンド)
同じ人(使徒)が二人居るのは気のせいだろうか?(笑)
ちなみに、この時代では女性の高校野球出場も認められている。
「・・・・一体何なんだよ、このメンバー表・・・(わなわな)」
シンジが問う。
「ん、何?」
ショウジが答える。
「何で使徒がはいってるんだよー!!!」
「何言ってるんだよ、使徒差別するなよ」
「は?」
「そんな事いったらカヲルとか綾波とかも使徒みたいなもんだろ?」
「そ、それはそうだけど・・・・」
イマイチ納得出来ないシンジ。しかし、作者はそれよりもペンギンがスタメンに居る方が疑問に思うのだが・・・・。
「碇、ヒトも18番目の使徒さ♪」
「そ、そうなの?」
「さあ?」
「・・・・・・」
ショウジの性格も何処かとんでいる。
「・・・・碇君」
「わっ!!?」
そこへレイの登場。
「・・どうして私を見て怖がるの?・・ヒトじゃ無いから?・・・・(涙)」
「・・い、いやぁぁ綾波っ!僕はっ、ただ!!」
「・・・そう、じゃ、さよなら・・・(涙)」
「わ!綾波、違うんだってば!!待ってよー!!」
そんなこんなで、レイとシンジは何処かへ去っていった。
「価値観の相違だね・・・・(ニヤリ)」
何時の間にか二人の様子を見ていたカヲルだ。しかもまた意味不明。
「まったく、二人とも互いにゾッコンなんだから、さっさとくっ付けばいーのに」
毎日二人の端末にクラックして、日記を読んでいたショウジであった。(犯罪だろ、おい)
そこへ、マナ登場。
「ショウジー!!」
「あ、マナ♪」
マナは既にだいぶ前に退院をしていて、予告どうり野球部のマネージャーをしている。
「さ、みんな帰ったみたいだし、そろそろ始めましょうか。ショウジにカヲル君♪」
「「おっけー♪」」
始めるとは、秘密の特訓の事である。ショウジは今、甲子園に向けて新しい変化球を特訓しているのである。
びゅーん、びゅーん
「うん、得意のナックルにも勝る変化率だよ。これなら切り札として十分だね」
「ありがとう、渚♪」
「むっ。僕の事はカヲルでいいって何時も言ってるじゃないか(怒)」
「あ、ごめーん渚♪」
「・・・わざと言っているね・・・(怒)」
何やってんだか・・・。
さて、今度はお待ちかねのレイとシンジです。
「あ、綾波ー!!」
シンジは綾波を探して三千里(笑)をさまよっていた。
・・・・それにしても、レイが泣いて逃げ出すのってこれで2度目?レイって結構泣き虫?(もちろん可愛いから許す)
『・・・・・(涙)』
レイはシンジの事しか頭に無い様子。しかもJavaScript(笑)。
「綾波ー!どこだよー!!(泣)」
急げ、シンジよ。(作者の降らせた)雨が降り出してきたぞ!!
「ど、どうしよう。とにかく早く見つけなきゃ!」
シンジ、全力疾走。ちなみに、この時シンジはレイに発信機を付けておこうと本気で考えたとか考えなかったとか・・・・・。
「こまったねー」
とある交番の警官が呟く。その目の先にはただ泣くだけの蒼い髪の少女の姿が・・・。
「ひくひくひく」
ただ泣くレイ。
「綾波ー!!」
ふと、シンジの声が聞こえた。近くに来たらしい。
『・・・はっ。碇君!?・・・・だめ、こんな所を見られたら『迷子になって交番で泣いている』と思われてしまう・・・』
実際、そうだったのだが・・・・。
『・・・きっと碇君、私のことアホだと思って、嫌われてしまう・・・・・だから、だめ・・・』
と、レイは逃げるように何処かへ走っていった。(実際、逃げていたのだが)
「?????」
その交番の警官は、それから一時間余りポカンとしていたらしい。
「綾波ー!!どこだよー!!!(泣)」
そんな事には気付かず、交番の前を通り過ぎるシンジだった。
どうでも良いような気がしないでも無いのだが、二人の天然ボケはいい加減何とか成らないのだろうか?
まあ、そんな事言ったらカヲルとかの方がよっぽどボケているのだが・・・。
・・・・・・・・・・・。