バルディエル。16歳。良くわからんが(笑)、とにかく私立NERV高校入学。

綾波レイは遊撃手

第六話


 バルディエル。4番打者らしく強靭なパワーを有しており、NERV野球部の対空砲と呼ばれている。また、天性(?)の腕の長さにより、敬遠球まで打ってしまう。足も速く、送球もうまいのでポジションはセンター。何故か監督のトウジ先生の家に寄宿(爆)しているらしい。

 「さあて、今日も元気に練習するか」

使徒であるにも関わらず、かなりまともなバルディエルである。

 ぶん、ぶん、ぶーん・・・・・・・・・・どかっ!!!?

バルディエルが元気に素振りしている所へ、何処かの誰かさんが勢い良く打った打球がヒット!

 「うぎゃー・・・・」

バルディエル、沈黙。

 「だ、だいじょぶか!?」

 『お、俺の出番って、一体・・・・・?』

ようするに、故障するための出番なんです。バルディエルさんごめんなさい。

 「どうした、どうした!?」

人(使徒)が集まってくる。

 「あー、バルディエルが怪我だよ」

 「なに?本当かい!?」

血相を変えて心配した表情を露にするカヲル。

 「彼にはまだ5000円貸しているんだ、帰ってこなくなったらどうするんだー!!」

結局それかい。

 「か、カヲル君、それよりもっと大きな問題が有ると思うんだけど・・・・・」

シンジ登場。

 「む。金はリリンの生み出した文化の極みだよ、お金より大きな問題なんてあるもんか」

前半のセリフは正しいような気がしないでもない。

 「・・・私は、碇君さえ居れば何も問題ないわ・・・・・・」

今度はレイの登場。

 「あ、綾波!?」

そういえば、レイは何時の間に戻ってきたのだろうか?(第伍話参照)

 「おっ?また楽しそうな事やってるね♪」

ショウジ登場。

 「ちっとも楽しくなーい!!!」

シンジの当然の叫び。

 「4番のバルディエル君が故障したんだよー、もうすぐ初戦だって言うのに、一体どうするんだー!!!?」

シンジがやっと言いたい事を全部言った。

 「なんだ、そう言う事か♪」

こんな時でも音符付きのセリフ。

 「は〜、もーやだ」

 「ま、そう気を落とすなよ碇。もう代わりの4番は来ているようだしね♪」

 「え!?」

みれば、マシン打撃を猛然とこなす少年が一人。

 どかーん、どかーん、どっくあーん!!!!

打撃の音が、「カキーン」ではなく、全て「ドカーン」という程の打撃力だ。

 「何なんだ、一体!?」

 「ふふふ、彼は加持リョウジ。僕が筋トレ部から引き抜いてきたんだ♪」

行動が素早いショウジ。?、筋トレ部って何?(爆)

 「リョウジはね、パワーだけでなく、打撃センスも良くてね、十分即戦力になるよ♪」

 「守備は?」

 「心配無いよ、足も速いし強肩だし。外野ならなんとかなるよ♪」

こんな都合の良い人間が居るものなのか?

 「やあ、碇シンジ君て君かい?」

マシン打撃が終わったリョウジが話し掛けてきた。

 「え、ええ。どうして僕の名前を?」

 「そりゃ知ってるさ。この世界じゃ君は有名だからね。もちろんレイも知ってるよ」

 「何の訓練も無しに実戦でいきなり120Km/hのストレートを出した天才球児ってね」

 「それっていつの話ですか?(汗)」

 「偶然も実力のうちさ。才能なんだよ、君の」

 「は、はあ?(汗)」

途中から話が噛み合わなくなっている。

 「うー、加持ぃー。俺の噂はー?」

ショウジが問う。

 「知らないね」

 「そんなーぁ」

 「嘘だ」

 「ガクーッ!!」

 「知ってるよ。魔球的なナックルをアンダースローで投げるピッチャーってね」

 「ふうむ♪」

話が一段落ついた様だ。

 「じゃあ、取り合えずリョウジ君の実力を見せてもらおうかい?」

おお!カヲルが物凄くまともな事を喋ったぞ!!!

 『僕って一体?(泣)』

無視。

 「そうだね、それじゃあ僕と一打席勝負をしてみようか?」

 「いきなりシンジとで勝てるかね♪」

 「ふふ、おもしろいね」

てな事で、試合開始。

 『加持リョウジか、取り合えず様子見できわどくボールと行って見ますか』

カヲルもキャッチャーらしく色々と読んでいるらしい。

 びゅううー・・・ばしっ!!

 「ボール!!」

 『うーん、これは見きっていたのか?だとすると、とても野球が初めてとは思えないな』

カヲルが、今日はカッコ良く見える。

 『とにかく、今は彼の実力を見ないとな。色々なコースに色々な球を試して見ないと』

カヲルが、フォークのサインを出す。

 『フォークか、初めての人にこの変化は付いて来れるかな?』

とは言いながら、手加減無しのシンジ。空振りのストライクとなった。

 『じゃあ、次は外から高速スライダーでストライクゾーンを狙うか』

高速スライダーのサイン。

 『カヲル君も容赦無いな、まあいいか』

シンジは渾身の高速スライダーを投げた。

 ごおおおおおおお!!!!

次の瞬間!!!

 かきいいいいいいん!!!

 「え!!??」

打球はライトへ切れていった。

 「ふぅ、一瞬ひやっとしたなあ」

カウントは2ストライク1ボール。

 『うーん。流石に球威があるな、振るのが遅れてしまった』

ちなみにリョウジは右打。

 『さてと、今度は低めのシュートでボール球と行くかな』

これはリョウジに見送られ、2ストライク2ボール。

 『うーん、またか。やっぱり、まぐれじゃ無かった様だね。目がいいのかな?』

リョウジはボールを良く見極める目も持っている様だ。

 『ナックルってのはどうかな?』

ナックルのサインがでた。

 『ナックルか、ショウジ程切れは無いけど、行くか』

 びゅうううううう!!!

 「む!」

 どかあああああん!!!!

 「「!!!!!!!!!」」

飛距離は十分だったが、際どい所で左に切れた。

 『な、なんてやつ、やっぱり凄すぎるぞ!?』

 『と、とにかく落ち着かないと』

二人ともかなり焦っている。

 『うーん、今のは惜しかったな。ナックルだと球威がかなり落ちるからな』

結構この人、野球知ってるんじゃ無いのか?

 『ちょっと脅かして見ようか』

バントの構えをするリョウジ。

 『何?バント?どういうつもりだろう?』

カヲルは悩む。カーブのサイン。

 ごおおおおおおお!!!

 『カーブか、甘い!!!』

 かきいいいん

 「「な、流し打ち!!!?」」

 たたたたたた・・・ずざーーー

 「セーフ!!」

三塁打。

 「まけたよ」

シンジとカヲルがリョウジの元へ行く。

 「二人とも、まだまだ甘いね」

リョウジはかなり上機嫌。

 「さすが、僕が見込んだだけあるね♪」

ショウジも上機嫌。

 「・・・・碇君・・・・・・・」

こちらはくやしそう。

 「完敗だね、僕らもまだまだ改善の余地有りか」

うーん、カヲルがカッコイイな。

 「そうだね」

シンジは普通。

 「まあ、とにかく4番もきまったし、甲子園へむけて全力でいこう♪」

 「よっしゃー!!」

その頃、バルディエル。

 『もういい』

可愛そうな脇役。


 スタメン表(改訂版)

 一番打者:碇シンジ(ピッチャー)
 二番打者:渚カヲル(キャッチャー)
 三番打者:綾波レイ(ショート)
 四番打者:加持リョウジ(センター)
 五番打者:タブリス(レフト)
 六番打者:ゼリエル(ライト)
 七番打者:ペンペン(サード)
 八番打者:シャムシエル(ファースト)
 九番打者:サキエル(セカンド)

 「・・・・・それにしても・・・」

 「どうしたんだい?碇♪」

表を見ながらシンジが唸っている所を、ショウジが声をかけた。

 「・・うーん、このペンペンってのがどうも気にかかって・・・・」

やっと気付いたか。

 「はぁ、まぁ・・・・」

ショウジが曖昧な返事を返す。

 「クェッ、クェー」

 「「うっ、うわっっ!!!?」」

噂の人物(?)登場。

 「どうしたの?二人とも♪」

良く見ると、マナがペンペンの手を引いている。

 「マ、マナっ!そのペンギンは?!」

 「ペンペンよ♪」

 「「・・・・・・・・・(唖然)」」

 「何よ?(怒)」

 「クエッ!(怒)」

・・・・・・・・・・・。

 『ミサトさんの仕業だな・・・・・』

シンジは何か心当たりが有る様子。

 「もう!見た目はこれでもちゃんとペンペンは野球やってるんだからね!」

 「そうだクェ!」

 「「しゃ、喋った!!!?」」

まあ、野球が出来るんなら、言葉を喋ってもおかしく無い様な気がしないでもない。

 「「・・・・・・・・・・」」

二名沈黙。

 「変な二人!行きましょう、ペンペン♪」

 「クエッ!」

去って行く二人(?)。

 「なあ、碇」

 「・・・・・・何?」

 「ペンギンって、何?」

 「同感」

しばしの混乱。

 「本当に野球できるのだろうか?」

 「アメリカで、野球のペンギンリーグが有るって噂は本当だったのか」

嘘です。

 「グローブとかバットとか、どうやって使うんだろ?」

 「ドラえもんみたいに、その時だけ指が生えてくるとか?」

ドラえもんって、野球やってたっけ?

 「ペンギンじゃ、足が遅いんじゃないか?」

 「温泉ペンギンは速いんじゃ無いの?」

どーゆー理論だ?

 「・・・・・・・・で?」

 「・・・結論として」

 「「ペンギンは、野球をやってもいいんだね!!!!!!」」

・・・・・何処をどうしたらそーゆー結果に成るんだ?

第六話 完