第拾壱話
ヤマアラシ高校との親善試合をすると聞いて、ショウジはヤル気満々。
「頑張ってね、ショウジ♪」
こちらはマナ。
「・・・碇君・・・頑張って・・・・私も頑張るから・・・・・・」
マナに対抗意識を燃やしたかどうかは別として、レイもかなりヤル気だ。
「うん!お互い頑張ろうね!!」
と、シンジ。
『よしっ!!今回の試合で大活躍すれば、綾波のレイちゃんもきっと僕に振り向いてくれます!!!』
気の毒だけど、それは無いと思うよ。
「ヤマアラシ高校と言えば、最高の守備を誇るバリアー高校とも呼ばれている高校。ゼーレが黙っちゃ居ませんぜ」
終盤のセリフの意味が殆ど不明なリョウジ。
「あれ!?それはそうと、カヲル君は何処に行ったのかな?」
シンジが、ふと気が付いた。
「ほんとだな」
何処を見てもカヲルの姿は見当たらない。
「何処行ったのかな?」
「・・碇君・・・練習しましょう・・・・(怒)」
レイは、カヲルにはかなり敵対心を持っている。(そりゃそうだ)
「ん〜、まあいいか。練習しよ〜っと!」
シンジでさえも、最近はカヲルの事を余り心配しない様になってきてしまった(爆)。
「ふふふ・・・・・今度こそは新しい眼鏡が買えそうだよ・・・・(ニヤリ)」
またカヲルが何かやってる。
「読者の皆さんは、ぼくが物凄い悪党の様に感じてるかもしれないけど、それは違うね」
どう違うのかな。
「それは、定説だからさ(フッ)」
やめろ、やめてくれ。
「ん?それはそうとビデオを回さなきゃね」
何撮るの?
「ふふふ、NERV高校の特殊偵察部隊の名をもつこの僕が撮るビデオだよ」
特殊偵察部隊?
「そう、特殊偵察部隊。これは、僕の先祖代々からの遺伝でね」
遺伝?
「そう、昨日食べたおでんは美味しかったね。これぞ文化の極みだよ」
いや、おでんじゃ無くて遺伝・・・。
「そう言えば、家のご先祖様も、おでんの中の、中大兄皇子が大好きだったね」
そんなこんなで2時間経過・・・。
「だからつまり、ファウルとフォークの違いは・・・・・・・って、もうこんな時間になってしまったよ(泣)」
結局何しようとしてたの?
「ヤマアラシ高校を偵察に来ていたのさ(泣)」
ヤマアラシ高校だったら、まだ野球部は合宿から帰ってきてないよ。
「がーん!!!」
やってられん。
一方、シンジとレイは・・・・・・。
「あやなみ〜!そろそろ終わろうよ(泣)」
「・・・だめ・・・」
「そんな〜〜(泣)」
レイとシンジはずっと野球の練習をしていて、現在は夜中の12時。
「何でこんなに練習するんだよ〜〜(泣)」
確かに何でレイがこんなに燃えてんの?
「・・・・だって、ばーさんの居る高校には負けたく無いもの・・・・・」
「ばーさん?」
「・・・そう、あの人だけには負けたくない・・・・・(号燃)」
詳しく説明いたしますと、ばーさんとは、ご存知「赤木ナオコ」の事ですが、この小説では、ヤマアラシ高校野球部在籍の野球少女という設定となっております。実は、このナオコとレイは以前同じ中学に通っていて、二人ともシンジを狙っていたライバル同士なのでありました。
『ばーさんは完全に叩いて置かないと、いつ碇君を奪いに来るか分からないもの』
野球で叩いても、何か意味あるの?
『何だか良く分からないけど、このままだと体が持たないや。ここはひとつ・・・・・』
シンジが何か思いついた様だ。
「でもさ、綾波って見てるとお母さんって感じがするね」
「・・え!!?」
「綾波って案外専業主婦とかに向いてそうだね」
「・・・な・・何を言うの・・・・(焦)」
「あ!でもこんなに手が汚れちゃって」
そう言って、シンジはレイの手を取る。
「えっ!!!?(激焦)」
「それに、こんなに冷たくなって(すりすり)」
「・・・・あ・・・・碇君・・・・・」
もう、そこらへんにして置いた方が良いのでは?
「早く帰って、僕が手をあたためてあげるよ・・・・・・・・・・・って、綾波?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
シンジは、気絶したレイを担いで家までヒーコラ帰って行ったそうな(自業自得だな)。
さて、そんなこんなでヤマアラシ高校との試合当日となりました。
「我ら〜が、我らが〜〜都立〜ヤマアラシ〜高等学校〜〜♪」
威勢良く校歌を歌うヤマアラシ高校野球部。
『ばーさんは用済み。ばーさんは用済み。ばーさんは用済み。ばーさんは用済み・・・・・(号燃)』
レイちゃん恐い・・・・・・(汗)。
「あ、綾波ぃ〜(泣)」
シンジはかわいそう。
「あら?レイじゃない!久しぶりねぇ」
「ばーさんは用済み」
「う・・・、だからその呼び方やめなさいって前から言ってるでしょ!!(怒)」
「ばーさんはしつこい」
「き〜!!!アンタなんか死んでも変わりは居るのよ!!!」
「あ!止めて下さい!!綾波に何するんですか!!!!」
てんてこまい。
「・・・碇君・・・これは私とばーさんとの闘いなの・・・・・・(号燃)」
「き〜!!!人の事をばーさんなんて言うんじゃないの!!!」
「二人とも止めてくれ〜〜〜(泣)」
シンジや哀れ。
「碇君、こんなヤツと一緒に居ないで私と一緒になりましょうよ」
「碇君は私と離れないって約束したの!(怒)」
おいおい、そろそろ試合を始めないと・・・・・。
「プレイボール!!!!」
早っ!!!!
「おりゃ〜!!ストレートです〜〜!!」
投げるはイーグル。ちなみにイーグルは自分が投げる球種を大声で叫ぶ癖がある。<ダメじゃん!!!(爆)
『な!?何なんだ!?コイツ、球種を自分から言ってきたぞ!?』
「ストラーイク!!!」
最初は敵を混乱させるから良いんだけど、次回からはどうするの?
「おりゃ〜!!またまたストレートです〜〜!!」
『何だか良く分からんが、素直にストレートを狙うぞ!』
すかっ!!!
「あらっ!!?」
あらっ!!?
「あれ〜〜!?間違えて変化球投げちゃいました」
何故に間違える?
『何なんだ!?コイツわざとやってるのか!!?』
コイツの場合はわざとでは無いのでご注意。
「ストラーイク!!!アウト!!!!」
「やったぁ!!三球三振です!!!綾波のレイちゃんもコレで僕を見直してくれましたね」
そのレイは、シンジにくっ付きながらもナオコを牽制しておりました。
『ばーさんに碇君は渡さない!!(号燃)』
イーグルには最初っから可能性は完全にゼロなのである。(と、言うか相手にもされてないし)
「綾波のレイちゃん!!この調子でレイちゃんのためにノーヒットノーランを達成しますからね!!!」
との事だったが、3回には既にスタミナが切れてショウジに交代するのであった。(3回しか投げられ無いんなら何で先発なんだよ)
「前回はナックルで失敗したから今回はHスライダーで行くかな♪」
と、高速スライダーしか投げないショウジで有りましたが。
「うげっ!!!何だ!このスピードと変化率は!!?」
余りのレベルの高さに、結局ノーヒットノーランで九回までを守りきります。
「よし!!一発サヨナラと行くかな?」
九回の裏、1対1でノーアウト、4番のリョウジ。
『NERV高校の加持リョウジか。君のデータは全て取得済みなのだよ』
何故かヤマアラシ高校の選手は全員スカウターらしきものを装着している。
どか〜ん!!
リョウジが長打を放った。通常なら追いつけないはずの打球だが・・・。
ぱしっ!!!
『が〜ん!!!』
捕球されてしまった。
『ふふふ・・・・我らがヤマアラシスカウターによる守備シフト誘導に捕球できない球は無い!!!』
実際、今までの打球は全て捕球されている。こちらが取った一点も、ホームランによる点数だ。
「ふふふ・・・・・だったらホームランを打てば良いんだね」
五番のタブリス。
『ふふふ・・・・そうは行かないネ(にやり)』
不気味な笑い。
ドカッ!!!!
「うぎゃあ!!!!」
デッドボールである。
『う・・・・・ぐ・・・・デットボールとは、好意に値しないね・・・・・ただでは済まないよ・・・・』
んで、六番のゼルエル。
「さてと・・・・・・スクイズやるか」
ずでででで・・・・(皆がズッコけた音)
ナシテデスカ!!!!
すたたたた・・・・・・・ずざー!
「セーフ!!!」
あ、タブリスが盗塁した。
ずたたたたた・・・・・・・・・・・ずさあああーーー
「セーフ!!!」
ありゃ?またタブリスが盗塁した。
「よしっ!・・・・・・・・スクイズやるぞ!!」
そーゆー事かい!!・・・・・って、なんでや!!!
かこん・・・・・・ころころ(注:スクイズした音)
敵方は当然もろバントシフトだ。
「ったく、何をなめてるんだ?」
2アウトなので、迷わずファーストに送球する。
「よっしゃ!!・・・・・・・あれ!?何で!!?」
ボールは何故かあさっての方向へ。
『ばーさんは早く叩いて置かないと(集中)』
レイの超能力発動!!!!<なんじゃそりゃ?
「ゲームセット!!!」
何だか知らんがNERV高校が勝ったぞ。(ちなみに最後の所はサードのエラーが記録された)
『・・・やった、ばーさんを叩いたわ・・・・コレで碇君を奪われる心配が無くなったわ・・・・(すりすり)』
「ああああ、綾波・・・・嬉しいのは分かるけど早くあいさつしに行かなきゃ・・・(汗)」
「(すりすり)」
「ああ、綾波ぃ〜〜〜(ばたっ!)」
今度はシンジが気絶したそうな。(って、何時もくっ付いてる癖に何で気絶するんだよ<怒)