あなたへの想いのために・・・・
「誰?・・・わたし・・・エヴァの中のわたし」
「・・・・いえ、わたし以外の誰かを感じる」
「あなた、誰?」
「使徒・・・・わたしたちが使徒と呼んでいる人?」
『わたしとひとつにならない?』
「いいえ、わたしはわたし・・・・あなたじゃないわ」
『そう・・・・でも、だめ・・・・もう、もう遅いわ』
『わたしの心を、あなたにも分けてあげる』
『この気持ち、あなたにも分けてあげる』
『痛いでしょう?・・・・ほら・・・・こころが、痛いでしょう?』
「痛い・・・・いえ、違うわ・・・・さびしい」
「そう、さびしいのね」
『さびしい?・・・・わからないわ』
「ひとりが嫌なんでしょ?」
「わたしたちは沢山いるのに」
「ひとりでいるのが嫌なんでしょう?」
『それが・・・・さびしいというの?』
「それがあなたのこころよ」
「かなしみに満ち満ちている・・・・あなた自身のこころよ」
「あぁっ・・・・これは涙」
「泣いてるのは・・・・わたし?」
なぜ泣いているの?
涙
わたしはわたし
この人とは違う
でも・・・・涙
かなしみに満ちている
わたしのこころが
だから・・・・涙
さびしくて、かなしいこころ
それが、わたしのこころ
わたしにはそれが、わかるから
わたしは、この人とおなじ
ひとつになるの?
「碇君!」
初号機がでてくる
この人が初号機を襲う
初号機とひとつになりたい?
この人は・・・・わたし
わたしが碇君を襲う
わたしは、碇君とひとつになりたい?
「これがあたしのこころ。碇君と一緒になりたい」
「だめ!」
だめ・・・・碇君は人
碇君は碇君
わたしとは違う
だから、だめ
『別れぎわに、さよならなんて、悲しいこと言うなよ』
『笑えばいいと思うよ』
『なんだか、お母さんって感じがした』
『綾波の匂いがする』
碇君
碇君
碇君
碇君
『あなたは死なないわ。わたしがまもるもの』
だから
だから
だから
だから
だめ
まもるもの
「だめ!わたしがいなくなったらATフィールドは消えてしまう」
碇君はわたしがまもるもの・・・・
「だから、だめ」
「はっ・・・・」
碇指令・・・・笑顔
わたしはこのためにいるの?
碇君をまもるために
これで、よかったの?
いいのね
きっと
・・・・
◇ ◇ ◇
わたしの想い
2人目のわたしの
なぜ?
幸せだった?
わたしのこころに残る想い
きっと、最後の瞬間は幸せ
碇君のために
ううん・・・・きっと、不幸せ
碇君のために
想いは残る
わたしにも
よかったね・・・・2人目のわたしへ
ごめんなさい・・・・2人目のわたしへ
涙
わたしは泣ける
わかるから
想いが
碇君
◇ ◇ ◇
「レイ、どうしたの?・・・・泣いてるの?」
碇君はわたしのとなりにいる・・・・わたしに腕を組まれて・・・・わたしの
瞳をのぞき込んで、優しく微笑みながら、聞いてくれる。わたしは、涙を拭き
ながら、元気に答える。
「うんっ、うれしいの!」
「なにが、そんなに、うれしいのさ?」
「ううん、なんでもないっ」
「なにさ?気になるじゃないか。そんな泣く程、うれしいなんて。教えてよ、レイ」
「うふふっ・・・・ひ・み・つ」
「もう、ケチだな、レイは」
碇君は、それでも、わたしの瞳を見つめて、優しい微笑みをくれる。
碇君は、優しいから・・・・そして、とても強いから・・・・
わたしは、前のわたしじゃないのに・・・・それでも、優しく話かけてくれた。
前とかわらず、優しい微笑みをかけてくれた。
わたしの中に残る、前のわたしの気持ち・・・・わたしにはわからなかった気
持ちを碇君は理解してくれた。だから、わたしも前のわたしの気持ちを理解で
きた。
でも、いまは、それだけじゃない・・・・いまのわたしの気持ちは・・・・
「碇君」
「なに?レイ」
「碇君は、わたしのこと好き?」
「な、なにいいだすんだよ。突然」
「ううん・・・・わたしのこと、愛してる?」
「・・・・う、うん」
「ちゃんといって」
「・・・・愛してるよ。レイ」
「だから、しあわせなの」
「う、うん・・・・僕も・・・・」
碇君・・・・前のわたしも愛してた・・・・だから、しあわせ・・・・
わたしは、碇君の腕を抱きしめる。碇君は優しい笑顔でわたしを見つめる。
いつも、そばにいる・・・・だから・・・・しあわせっ!
「ちょーっと、アンタ達!いつになったら、歩きだすのよ!」
「ア、アスカ・・・・ごめん」
「ごめんじゃないわよ。もう、アタシは、行くわよ。遅刻しちゃうじゃないの!」
「う、うん」
アスカさんもすっかり元気になって・・・・ううん、あの人はいつも元気だも
の・・・・今朝も元気に駆け出していった。
ありがとう、わたしに元気を・・・・そして、碇君にも・・・・
「アスカ、待ってよ!わたしも、遅刻するのいやよ」
「なら、アンタも、走んのよ!ホント、ぎりぎりなんだからね!レイ」
「うん、じゃ、碇君、先、いくわ・・・・まーってよ!アスカ」
わたしは、碇君の腕を放して、アスカを追いかける。碇君も、もちろん、わた
したちを追いかけて、走って来る・・・・声がきこえるもの
「そんなあ!僕だけ、遅刻なんてひどいよー、待ってよー」
つづく
あとがき
あの、筆者です。
本編、21話以降、鑑賞記念のお話です。実は、まだ、見てなかったんです。
「レイが好き!」の本筋とは、まったく、関係ありません。
で、23話をなんとかもっと、感動的にって思って書きはじめたんですが、
・・・・だめです。今ごろ、ジワーっと来ちゃって、
だから、幸せじゃなきゃ・・・・みんな、幸せじゃなきゃ。
ごめんなさい。このくらいしか書けないです。
それでは、
もし、あなたがこの話を気に入ってくれて、
そして、もしかして、他の作品も読んで下さるとして、
また、どこかで、お会いしましょう。
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