嗚呼アスカ様!
第参話
少年


酔っ払っちゃったわねぇ、すっかり。最近、本当に、お酒の量が増えたわ。ホ
ント、よくないって思うんだけど。まあ、心配してくれる人もいないしね。

アタシは、いつものように、酔った足取りで、誰も待っているわけではない自
分のマンションに帰宅する。いつものように、エレベータを上がって・・・・

「ちょっと、アンタ、なにやってんのよ。中入れないじゃない・・・・・んー?
・・・アンタ、誰?」

アタシの部屋の扉の前に少年が一人、うずくまってる。アタシが声をかけると、
座ったまま、少年は、顔をあげて、アタシを見上げる。幼い・・・中学生?も
しかしたら、小学生?・・・・でも・・・・

「なによー。そんな目しちゃって、まさか、レイの隠し子ってことないわよね」

真紅の瞳・・・そして、青みがかった銀色の髪、レイと同じように、透き通っ
た真っ白な肌・・・まさか、ホントに、レイの隠し子?・・それとも・・・ま
さか・・・

少年は、何も答えず、アタシの顔を見つめる。

「ちょっとー、とにかく、そんなとこにいられちゃ、中入れないじゃない。い
いから、立ちなさいよ。アンタも中いれたげるから」

アタシは少年の腕をとると、少年は、黙って立ち上がり、アタシが部屋の中へ
うながすと、素直に部屋に入って、テーブルについた。

アタシは、酔い覚ましのコーヒーを入れる。さて、この少年にコーヒーは少し
早いような気もするが・・・まあ、ビールよりはましよね。コーヒーをいれた
カップを2つもって、アタシもテーブルにつく。カップを一つ少年の前に差し
出しながら、話かける。

「で、アンタ、なんで、あんなとこにいたの?」
「・・・・」

「もう、しょうがないわね。黙ってちゃ分かんないじゃないの」
「僕は・・・・」

「うん、僕は?」
「・・・・」

「だから、僕は、なんなのよ!イライラするわね!」
「僕は・・・・わからない」

「わからないって、何が?」
「自分が・・・わからない。僕は、一体、なにものなのか」

「はぁ?アンタはアンタでしょ?それ以外になんなのよ。で、名前は?」
「カヲル・・・渚カヲル・・・知ってるのは・・・それだけ」

「お父さんとお母さんは?こんな夜中に、一人で出歩いて、心配してんじゃな
いの?」
「・・・・いないんだ」

「・・・・そう・・・ごめん」
「・・・うん」

「って、なに暗くなってんのよ!親なんて、いなくたって、関係ないわよ。ア
タシだって。親なんかいなくたって、立派に一人でやってんだし。ようは、自
分しだいってことよ!ほら、アンタも・・・・で、アンタ、なんで、あんなと
こにいたの?」
「・・・わからない・・・ただ、なんとなく」

「はー、いいわ。今日は、泊まってきなさい。ベッドは・・・しょうがないわ
ね。アタシと一緒に寝る?」
「え?・・・お姉さんと・・・」

「まぁ、なんて、可愛らしいのかしら。うふふ。大丈夫よ。ガキには、手は出
さないわよ」
「・・・・・」

ホント、真っ白な顔を、耳まで真っ赤にしちゃって、なんて可愛らしいのかし
ら。でも・・・・この子・・・なにもの?

「ア、アタシは、ちょっと、これから、電話するとこ、あるから、先、ベッド
案内するから、寝てていいわよ。さっ、こっちよ」
「うん・・・ありがと、お姉さん」

アタシは、この少年・・・カヲルをベッドに案内して、寝かしつける。カヲル
は、素直に、アタシのベッドに横になって、アタシの顔を照れた表情で見つめ
る。

「あ、それから、アタシは、アスカ。アスカって呼んでいいわよ」
「うん・・・おやすみ、アスカ」

「せめて、さんぐらい、つけなさいよね。おやすみ、カヲル」
「ふふっ、いい人だね。アスカって」

「ガキがなにいってんのよ。さっさと寝なさい」


    ◇  ◇  ◇


さて、やっぱり、電話・・・・すべきかしらね?・・・でも、どっちにすべき
かしら?悩むはね・・・うーん。えいっ!まず、こっち。

『ハイ、コチラハ、国立総合研究所デス』

うーん、相変わらず、機械的よね。やんなっちゃう。

「えっとね。スクランブル回線で、応用生命の赤木をお願い」
『カシコマリマシタ。デハ、デコーダスイッチヲオンニシテオマチクダサイ』

はいはい、そんなことは、分かってますよ。いちいちうるさいわね。まったく、
MAGIの奴め。

『はい、赤木です。どちら様でしょうか?』
「アタシ、アスカ」

『あら、天才アスカちゃん。こんな夜中に何のよう?』
「アスカちゃんってのやめてよね。もう、ガキじゃないんだから」

『うふふ、ごめんなさいね。でも、若いでしょ?』
「わかったわよ。アンタには、かなわないわよ」

『で、なんのようなの?』
「アンタさー、渚カヲルって、こころあたりある?」

『渚カヲル?・・・いえ、知らないわね』
「隠してないわね?・・・・そう、ならいいわ」

『ちょ、ちょっと、なんなのよ。気になるじゃない。なんなの?渚カヲルが』
「うーん、なんていうか、レイと同じような子かな?って、思ったから」

『そ、そんな子がいたの?どこに?』
「いま、アタシのベッドで、寝てる」

『な・る・ほ・ど。頑張ってね。アスカちゃんっ』
「ち、違うわよ。何いってんのよ。アタシがあんなガキに手だすわけないじゃない」

『うふふ。可愛いわね。相変わらず。じゃ、おやすみ』
「ち、違うんだったら・・・」

『ガチャッ』
「な、なんなのよ。あのクソババア!人の話は最後まで聞きなさいよね。ホントに」

さて、からぶりだった訳ね。でも・・・レイには、なんか、聞きづらいような
気がするわね・・・・どうしようか・・・・もういいや。今日は寝ましょっ。

明日は明日の風が吹くわよ。

つづく

あとがき ども、筆者です。 そういうわけで、明日は明日の風が吹くだろうという終わりかたです。 さて、どうしようか・・・・ってなこといってて、いいのだろうか? しかし、レイに聞く訳にはいかないのだ! レイがあの大事件を忘れている訳はないのだから! さーて、どうしようか?・・・・困った。 まっ、そのうち、なんか考え付くでしょう・・・って、いいのか?こんなんで。 うぅ、こんなの書かなきゃよかった。 でも、いいや。とにかく、アップしちゃおっと。 でも、つづかないかもしれない。 いや、アップしてしまえば、それなりに続きを書かざるを得なくなるに違いない! だから、とにかく、これは、これで、公開するのだ! よしっ、ftp するぞ! じゃ、そゆことで それでは、 もし、あなたがこの話を気に入ってくれて、 そして、もしかして、他の作品も読んで下さるとして、 また、どこかで、お会いしましょう。

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