嗚呼アスカ様!
第四話
その夜
「アスカ・・・・少し、話してもいい?」
「なによ。アンタ、まだ起きてたの?」
「ダメかな?」
「いいわよ。いいたいことがあるなら、聞いてあげるわ。で、なんなの?」
アタシがベッドに入ると、隣で寝ていたカヲルは、アタシの方を向いて、寂し
そうに、そういうので、アタシもカヲルの方に、からだを向けて、向かい合わ
せになって、カヲルの顔を見た。
綺麗な子ね・・・でも、悲しそうな瞳・・・赤く深い・・・透き通った瞳・・・
レイと同じだとしたら・・・この子・・・ううん、アタシが守ってあげるわシ
ンジが、レイを守っているように・・・そうね。アタシもレイを守ってあげた
かったのだものね・・・重ねてるのかしら?カヲルとレイを・・・
「アスカは、ここに、ひとりで、暮らしているの?」
「・・・そうよ。アタシは、ひとりで、生きていくんですもの。そもそも、人
は、いつも、ひとりなのよ。誰にもたよれないわ」
「強いんだね。アスカは」
「あったりまえじゃない?なに?アンタ、そんなこと聞きたかった訳?」
「・・・・僕は、ひとりで生きていくのかな?」
「アンタ、ひとりが嫌なの?」
「そうだね。ひとりは、寂しいよ」
「・・・・」
「・・・だから、逃げ出してきたのかもしれない」
「・・・・」
「聞かないんだね?どこから?って」
「いいたくないんでしょ?カヲルは」
「ありがとう。アスカ」
「だから、さんぐらい、つけなさいって、いってるでしょ?いくつ、歳上だと
おもってんのよ。生意気ね」
「ふふっ、でも、アスカは、いい人だね。好きになってもいい?」
「アタシは、アンタみたいなガキは大っ嫌いよ!」
「でも、僕がアスカを好きになるのは、自由だよね?」
「勝手にすれば、いいよわ。さっ、もう、寝なさい。アタシは、寝るからね」
な、なに、アタシ、慌ててるのかしら?こんなガキに好きだっていわれて・・・
好き・・・もしかしたら、初めていわれたのかもしれない・・・このアタシが、
はじめて?・・・そんなバカなことあるわけないわね・・・
アタシは、カヲルに背中を向けて、少し、考える。
レイと同じ瞳をした少年・・・
背中から、寝息がきこえる。アタシは、また、カヲルの方を向いて、寝顔を見
つめる。
やっぱり・・・まだ、あどけないのに・・・この子・・・ひとりなのね・・・
いままでいたとこでも、やっぱり、ひとりだったのね・・・
きっと、外見の違いとか・・・もしかしたら、出生の秘密で・・・苛められた
り・・・でも、それは・・・アタシと、一緒?
なに、考えてんのよ!アタシと一緒なら、幸せじゃない!アタシみたいに、な
れないから、寂しいなんて、いってるのよ!そうね。アタシみたいに、元気に
ひとりで、生きてくようにならなくっちゃダメなのよ!
・・・・しょうがないわね
◇ ◇ ◇
「アスカ、そろそろ、起きて。もう、お昼だよ」
折角の日曜だっていうのに・・・いったい、誰よ?だいだい、昨日は・・・
「おはよう、アスカ」
「そうね、アンタ、いたのね」
「まぼろしだと思ったの?」
「そうね、まぼろしなら、よかったわよ」
「ふふふ、でも、まぼろしじゃ、ないんだよ」
「どうも、そのようね。残念だわ」
「朝は、不機嫌なんだね?アスカは。昨日は、あんなに優しかったのに」
「うっさいわねぇ、寝起きは、誰だって、機嫌悪いわよ。で、なんなのよ。日
曜だってのに」
「ごめん・・・でも、お腹すいたんだけど」
「わかったわよ。じゃあ、起きるから。もうちょっと、我慢してなさい。でも、
いっとくけど、アタシ、料理得意じゃないわよ」
「やっぱり、優しいね。アスカって。僕は、かまわないよ。アスカが、作って
くれるなら、なんだって」
「しょうがないわね。じゃあ、着替えるから、あっちいってなさい」
「うん。お願いします。アスカさんっ」
「さん付けなんて、生意気なこと、すんじゃないわよ!ガキのくせに!」
「ふふっ、じゃ、まってるからね」
全く、昨日は、あんなに、遠慮深くて、おどおどして、可愛かったのに、結局、
生意気なガキじゃないの!しょうがないわね、全く。アタシは、のそのそと、
ベッドから、起き出して、パジャマを脱いで、普段着に着替える。エプロンな
んて、もってないし・・・そうだわ、昔、シンジにもらったのが・・・この辺
に・・・
『アスカも、ちょっとは、料理しなきゃ、ダメだよ』
うわぁ、懐かしいわねぇ・・・でも、なんか、可愛すぎるわねぇ・・・ま、いい
わ。アタシは、若いしね。永遠に、わかいんだからね!
◇ ◇ ◇
「うわぁ、アスカって、やっぱり、綺麗だね」
「な、なによ。突然。そんなの、あったりまえじゃない」
アタシが、着替えて、エプロンをつけて、現われると、カヲルが、驚いたよう
な喚声をあげる。そして、真っ赤な瞳をキラキラと輝かせて、アタシの姿を見
つめる。
「ふふふ、アスカって、自信満々なんだね?凄いな」
「アンタばかぁ?あったりまえじゃない、そんなの。それに、本当に、アタシ
は、美しくて、しかも、頭脳明晰なんだからね」
「きっと、そうなんだろうね。アスカ。なんとなく、分るよ。アスカが」
「ガキが、生意気いってんじゃないわよ」
「ふふふ、そうだね。でも、僕もアスカみたいになりたいな」
「そうよ。アンタは、アタシみたいになんなきゃいけないのよ」
「うん、頑張るよ」
「そうね。じゃあ、自信を持つといいわ。アンタも、綺麗な顔してんのよ。わ
かってる?」
「そうなの?・・・そんなこと、初めていわれた」
「ばかね、カヲルは、綺麗なのよ。そんな子、滅多にいないんだからね。ま、
アタシの美しさには、かなわないけどね」
「ふふふ、ありがとう。アスカ」
「なによ。その目は・・・調子に乗るんじゃないわよ。さっ、アンタも、料理
手伝うのよ。だいたい、料理なんて、したことないんだからね!アタシは」
なんとなく、アタシは、カヲルと見つめあってしまって、慌てて、目をそらし
て、台所へとむかった。カヲルも、アタシの後をついてくる。
な、なにやってんのよ、アタシは・・・・なに、慌ててんのよ。いくら、綺麗
だっていったって、結局、生意気なガキじゃないの!
◇ ◇ ◇
「どう?味は」
「まあ、食べられなくわないわね。まだまだ、修行が必要ね」
「そうだね。頑張るよ。いろんなことが出来るようになって、もっと、自信を
持てるようになりたいからね。アスカみたいにね」
「そうよ」
「でも、今度は、アスカの料理も食べてみたいな」
「なによ。アンタが作るっていいだしたんじゃないの!」
「そうだけどね。ふふふっ」
「アンタが自分で、作って、アタシに食べさせたいっていうから、アタシは、
我慢して、食べてあげてるのよ。わかってる?」
「わかってるさ」
「ホント、生意気なガキね。アンタは」
「でも、僕は、アスカが好きだよ」
「アタシは、アンタみたいなガキは大っ嫌いよ」
「ありがとう、アスカ」
「なによ。アンタ、嫌われるのが好きなの?」
「なんとなく、分ったからね。アスカが」
「なーに、生意気いってんのよ。ガキのくせに」
「うん、だから、僕を守ってくれるかい?アスカ」
「知らないわよ。そんなこと」
「僕は、アスカのようになるために、この家で、アスカのことを見てるよ」
「・・・・・」
「いいよね?」
「学校ぐらい行きなさいよ。それから、前いたとこにも連絡しなさいよ」
「ありがとう、アスカ」
しかたがないわね。昨日の、あの目をみちゃあね・・・ほっとけないじゃない!
しょうがないのよ。ほっとけないもの・・・だから・・・
しかし・・・アタシ、誘拐犯になったりしないでしょうね?
はぁ〜・・どうなるのかしら?
つづく
あとがき
さて、筆者です。
どうなるのでしょう?
いいのでしょうか?こんなに、曖昧なまま、話をつづけちゃって・・・
ま、きっと、どうにかなりますよ。たぶん。おそらく・・・
まずいかなぁ〜・・・
と、とにかく、良い感じになってきたじゃないですか。
やや、カヲルに、シンジ入っちゃってますけど、
あの大人っぽいのイメージを小学生高学年あるいは、中学生に
やらせるのは、辛いですよ。
まあ、成長したら、ああなるのでしょう!・・・と、いいな
あぁ、早く、成長させたいな。
それで、はやく、らぶらぶにしてあげたいなぁ・・・(をいをい)
でも、なかなか、続きはかけません。
こんな話を気に入って、続きを期待してるなんて、奇特な人がもし、いましたら、
すいませんが、気長におつきあい下さい。
とりあえず、そう簡単には、終わらない話ですから。
あぁ、「アタシはアスカよ!」も立ち上げちゃったし・・・
どうしましょ?いったい?
次回は、なんとか、もっと、現実的な問題に、触れていきたいと
思ってます。さすがに、このまま、うやむやで続けるのは、辛いですよね。
しかし・・・現実的な問題・・・そんなのかけるんだろうか?
まあ、しばらく、考えておきますよ。
それでは、
もし、あなたがこの話を気に入ってくれて、
そして、もしかして、つづきを読んで下さるとして、
また、次回、お会いしましょう。
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