レイが好き!増刊号
創刊号
わたしを月へ


そろそろ、レイと僕が結婚して一年が経つ。記念日には、なにかレイにプレゼ
ントしてあげようかなと考えていた。レイは、今、どんなものが欲しいだろう?
そう思って、僕は、ソファーで何か本を読んでいるレイをみた。そんな、僕の
視線を感じたのか、レイは、ちらっと、僕の方を見て、それから、顔を伏せて、
つぶやいた。

「月へつれてって・・・」

「え?」

「・・・わたし・・・月へつれていってほしいの・・・そして、星々のあいだ
で、あそばせて・・・」

「そ、そんな、いくらなんでも、それは無理だよ。でも、なんで?」

「木星と火星の上で、春がどんなだかみてみたいの」

「え、え?わかんないよ。どういうこと?」

「ううん、つまり・・・ただ、手をつないでほしいだけ」

「う、うん、レイ」

僕は、レイの手をとって、レイの瞳をみた。深い真紅の瞳を・・・レイは、僕
の方をみずに囁く。

「アナタ、キスして・・・」

僕とレイの唇が重なる。長い時間がながれる。不意に、レイが唇を離して、ま
た、つぶやくようにいう。

「アナタ・・・わたしの心を歌で満たして・・・いつまでも、歌っていたいの」

「え?」

「あたしが愛するすべてのもののために・・・アナタはいつでも・・・わたし
のすべてだから・・・」

「えっ、それって、どういうこと?」

「ううん、つまり・・・いつも、誠実でいて。アナタがいつもわたしの真実だ
から」

「うん、ありがとう、レイ・・・」

「・・・愛してるわ、アナタ・・・」

「うん、僕も・・・愛してるよ、レイ」

僕は、なぜ、レイが、こんなこといいだしたのかよく分からなかった。でも、
本当に、愛してるよ、レイ。僕は、笑顔で、レイをみつめた。レイも、そんな
僕を頬をピンクに染めて、微笑みながらみつめかえす。僕は、こんな瞬間が一
番好きだ。


    ◇  ◇  ◇


ああ、いけない。また、やってしまったわ。シンジ・・・誤解してる。わたし
は詩を朗読してただけなのに・・・突然、シンジがキスしてきた時は、びっく
りしちゃった。それに、『愛してるよ』だって・・・

『ふふふっ・・・シンジったらもう・・・』

わたしは、それを思い返して・・・すこし、顔が赤くなってしまった。

シンジは、いつもの、暖かい、わたしを包み込むような笑顔でわたしをみつめ
てくれる。わたしもシンジをみつめかえす。わたしは、こんな時が一番好き。
だって、この世界は、シンジとわたしのふたりのためだけにあるんじゃないか
しらって思える瞬間だから・・・

そうすぐ、一回目の結婚記念日。シンジは覚えていてくれているかしら?

『わたしは、シンジにプレゼント、ちゃんとあるんだから・・・』

おなかに手をやって、わたしは、あたらしい生命に想いを馳せた。


FLY ME TO THE MOON

以前は、ここに歌詩を掲載していました。

そのような行為は、 著作権法に触れることを知りましたので、 削除させて戴きました。

関係者の皆様、誠にすいませんでした。 深く反省してお詫び致します。

参考: 歌詩の著作権



あとがき

どうも、筆者です。
『レイが好き!』特別編、『わたしを月へ』でした。

なんだこりゃ?と、思いましたか?すいません。

すでに、お気づきとおもいますが、
つまり、『Fly me to the moon』の和訳なのです。

ただ、あまり、自信のある訳ではありませんで、特に、
『You are ・・・・自粛・・・・ and adore』
は、どう訳していいのか分かりませんでした。(一応、無理矢理、訳しましたが)

あと、『Let me ・・・・自粛・・・・ and Mars』の
Spring は、春でいいのでしょうか?自信ないです。泉が正しいのかな?
大文字の S の Spring は、春でいいですよね?確か。

それで、綾波は、和訳を読んでいるだけなわけです。

単純に、それだけの話です。

で、話としては、
一応、『レイが好き!』の未来のワンシ−ンのつもりなのですが、
『レイが好き!』はまだ、完結していませんし、
今後、どういう展開になっていくかわかっていません。
本当に、ふたりが結婚できるかどうか、筆者にもわかりません。
まあ、最終回は『結婚』かな?と漠然と考えてはいますが・・・
(あるいは、『別れ』だったりして・・・)
したがって、『わたしを月へ』は、夢のようなものと思って下さい。

うーん、あとがき(言い訳?)の方が、本文より長くなってしまいそうだ。

それでは、

もし、あなたがこの話を気に入ってくれて、
そして、もしかして、他の作品も読んで下さるとして、

また、どこかで、お会いしましょう。


注:『Fly me to the moon』は、ご存知の通り、テレビアニメ『新世紀・エヴ
ァンゲリオン』のエンディングテーマです。(作詩:Bart Howard)


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