レイが好き!
第四話
買いもの
授業中も、僕は、昨日のように、綾波を見つめ続けるというようなことはなか
った。ただ、午後の買いもので綾波に何を買ってあげようか?ということを考
えていたので、授業はほとんど聞こえなかった。昨日に引続き、好運にも、あ
てられることもなく、無事に、授業は過ぎていった。
休み時間には、僕達のところへ、トウジたちがやって来て、僕は、綾波のこと
を気にしながら、トウジやケンスケと馬鹿話をした。
洞木さんは、綾波にしきりと何か話かけていた。なにを話しているのかはよく
分からなかったが、どうやら、二人は結構仲良くなって、綾波の表情もすこし、
和んでいるようだった。
今日は、土曜で、授業は昼までなので、3時間目から授業に出た僕達にとって
は、あっというまに、放課後だった。
「じゃあ、綾波、行こうか」
「・・・・ええ、碇君・・・・」
そういうと、綾波は例によって、僕の腕に両手を絡めた。
「いいなあ、シンジたちはこれからデートかあ」
「ケ、ケンスケ!ただの、買いものだっていってるだろ!」
「まあ、いいさ。でも、昼飯はどうすんだ?トウジたちはさっさと、二人で、
弁当持って、どっか、いっちゃったけど」
「ケンスケは、どうすんの?」
「俺は、パンでも買って、部室で食うと思うけど」
「そ、そうか、じゃあ、僕達は、どこか外で、食べることにするよ・・・いい
よね、綾波」
「・・・・ええ」
僕は、ケンスケのあの怪しげな部室を思い出して、ちょっと引いてしまったの
だが、そんな、僕達をみて、ケンスケは、羨ましそうにいった。
「ちぇ、いいなあ、俺も彼女ほしいな。くそー!べたべたしやがって、さっさ
と、俺の前から消えろよな!」
「ケンスケ・・・・」
なんだかマジにケンスケが怒ってるような気がして、僕は、ケンスケを慰めよ
うとした。
「冗談だよ、冗談。ほらほら、幸せものは行った、行った」
「ケンスケ・・・・じゃあ、僕達はもう、行くから」
「ああ、しっかりやれよ。綾波も、また明日な」
「ああ、じゃあ、また明日」
「・・・・さようなら」
僕は、ケンスケになにかいってあげたかったのだが、何と言っていいのか分か
らなかったので、そのまま、学校を後にした。
◇ ◇ ◇
そういえば、僕は、今日の昼飯のことは、すっかり忘れていたのだ。いつもの、
土曜日は、まっすぐ、うちに帰って、アスカ・・・研究所は基本的に週休2日
なので・・・と食べる。こんなことなら、弁当を作って持って来れば良かった
かも知れない。もっとも、今朝はそんな余裕はとてもなかったのだが。
僕は、あまり外で食事をしたことがなく、いつも自分でなにか作って食べてい
る。だから、こういう時、どこにいったらいいのかちょっと考えてしまった。
綾波に救いを求めても無駄だということは、分かっているのし、『わからない
わ』といわせて、悲しい目をされるのが嫌なので、とにかく、僕が決めなくて
はならない。
「あら、シンジ君、レイちゃん、いらっしゃい」
結局、僕は、マスターの喫茶店にまた足を運んでしまった。本日、二度目の来
店に、レイコさんもちょっと驚いたようだったが、優しく向かえてくれる。
「きょ、今日は、これから、綾波の買いものにいくから、そのまえに、お昼を
食べようと思って」
「そう。シンジ君が、外食するっていったら、ここしかないもんね。いつも、
御贔屓、ありがと。奥で、ゆっくりしていって」
レイコさんは、すべてお見通しのようで、クスッと笑った後、僕達を奥の席へ
促して、注文を聞いた。
「で、なんにするの?」
「じゃ、僕は、スパゲッティー・ミートソース。マスターのミートソースがい
いんだよね」
「缶詰よ」
僕は、照れ隠しに明るくそういったのだが、レイコさんの容赦のない一言が飛
んだ。もう、レイコさんのいじわる。
「そ、そうなんだ。でも、おいしいよね」
「ありがと、で、レイちゃんは?」
「・・・・わたしも、同じのを」
「そう、じゃ、ミー・ト・ソー・ス・2、と、すぐつくるわね」
レイコさんは、綾波をすこし、見つめたあと、小さなため息をついてから、そ
ういうと、カウンターの方へいった。僕は、レイコさんが何をいいたいのか、
なんとなく分かったが、綾波を傷つけそうなので口にはしなかった。
ただ、綾波にもっと、いろんな種類の料理を食べさせて、おぼえさせてあげな
ければいけない。これから、いろいろ教えてあげよう。そう思った。
「あ、綾波、後で、料理の本も買おうね。それで、二人で、いろいろ料理つく
って、一つづつ、憶えていけばいいよね」
「・・・・そうね、ありがとう。碇君。やさしいのね」
「え?何が」
「だって、わたしのことを思って、優しくいってくれて・・・・わたしも、な
んで、レイコさんがわたしを見つめたのか、わかったもの」
綾波は結局、やっぱり少し、悲しい瞳になってしまった。でも、綾波は、すこ
しづつ、社会のことを分かりはじめている。前なら、ほんの一日前なら、レイ
コさんの視線の意味なんてきっと分からなかったに違いない。そう思うと、僕
はすこし、嬉しかった。
「そ、そうなんだ。でも、気にすることないよ。そんなの。これから、ひとつ
づつ知っていけばいいんだから」
「・・・・そうね。碇君、わたしを助けてくれる?」
「当たり前だよ。そんなの」
「・・・・なぜ、当たり前なの?」
綾波は、不思議そうな顔で、僕を見つめた。この辺のところは、まだまだ、分
からないようだ。もし、分かって、こんな顔で僕を見つめているのだとしたら、
レイコさんより、いや、アスカよりももっとすごい『オンナ』である。まあ、
綾波に限って、そんな訳はないはずだと僕は、確信しているので、僕は、きち
んとそれに答えなければならない。
「何度も、言ってるように、僕は、綾波が好きなんだ。人を好きなるのには理
由なんかない。とにかく、好きなんだ。それで、好きな人のためなら、なんで
もしてあげたいって思うのが、それが、当たり前なんだ。それが、好きってい
うことだから」
「・・・・分かった・・・・ような気がする・・・・」
綾波は、少し、考え込んだように、黙り込んだ。僕は、説明が分かりずらかっ
たかなと、ちょっと反省して、自分のいったことを思い直して、われながら、
かなり、キザだったことに気づいてしまって、今ごろ、一人で、照れてしまっ
た。その時、綾波が口を開いた。
「それが・・・・好きっていうことなのね?」
「う、うん、たぶん、そんな感じ」
「それなら、わたしは、碇君のことが好きよ」
「えっ、え?いまなんて!」
「わたしは、碇君が好き。そういったの。変だった?」
「へ、変じゃないけど・・・どうして?」
「人を好きになるのには理由はないんでしょ?わたしは、碇君のためならなん
でも、出来るもの」
「あ、ありがとう」
「こういうときも、『ありがとう』なのね。じゃあ、あたしも、碇君、ありが
とう。これで、おあいこね」
「う、うん」
綾波が突然、こんなにはっきりと、言葉数も多く使って、喋りだしたのにも驚
きだが、僕は、その内容に、それ以上に驚かされた。
綾波がこの僕のことが好きだなんて、僕は、僕は。
『僕は、なんて幸せなんだろう!』
◇ ◇ ◇
「えー、コホン、大変、お邪魔でしょうけど、スパゲッティーができたわよ」
「レ、レイコさん、邪魔だなんてそんな・・・・」
「そうね、わたしと碇君が見つめあってたのに。邪魔ね」
「あ、綾波!」
僕は、その言葉の主に驚いた。レイコさんも目を丸くして、綾波を見ている。
「綾波、そんないい方、ダメだよ。良くないよ」
「・・・・ごめんなさい、碇君。碇君は、はっきりものをいう人が好きなのか
と思って」
「そ、そりゃあ、はっきりものをいうのは、悪いことじゃないけど。今のいい
方はひどかったよ。レイコさんにも悪いじゃないか」
「・・・・そうね・・・・レイコさん、ごめんなさい」
「い、いいのよ、確かに、邪魔しちゃったしね。それに、見直したわよ、レイ」
レイコさんは、スパゲッティーをテーブルに置くと、綾波に一つウインクをし
てカウンターの方へ戻っていった。
たしかに、僕の回りの人達は、アスカも、トウジも、ケンスケも、それに、洞
木さんも、ついてにいえば、レイコさんだって、はっきりと、いいたいことを
いう人で、僕は、そんな人達が大好きだが、彼らだって、時と場所をわきまえ
ている。それをはっきり、綾波に教えておかないと、これからの綾波は、僕が
一つ一つ教えていかないといけないんだから。
「あ、綾波、確かに、ものをはっきりいうのはいいんだけど、相手の人が、そ
ういわれて、どう思うかってのを考えて、いわないとダメだよ」
「うん、わかったわ・・・・でも、レイコさん、いい人ね」
「そうだね、いい人だよ。とっても。僕は、いい人に囲まれて暮らしてるんだ。
それが、とっても、気持ちがいいから。だから、綾波も、いい人でいてほしい。
あんな、さっきみたいな、口はきいてほしくない」
「ごめんなさい」
綾波は、本当に反省しているようだ。僕も、少しいいすぎてしまったと反省し
た。
「ごめん、綾波、ちょっと、いいすぎたよ」
「ううん、碇君は悪くないわ。だって、わたしのためを思って、そう、いって
くれるんですもの」
「うん、で、でも、綾波、僕には、僕には構わないから、いいたいこといって
ね。僕らは、これから、家族なんだから、一緒に住むんだから、遠慮なんかせ
ず、いいたいこといおうね。それにね、綾波が僕のことを思って、あんなこと
をいってくれたのがちょっと、嬉しかったんだ。レイコさんには悪いけど」
「うん、碇君、ありがとう」
「さあ、スパゲッティー食べよう。せっかく、おいしいんだから、冷めないう
ちにね」
そう、僕は、明るくいった。綾波も、気をとり直して、フォークを持つと笑顔
で、こういった。
「ところで、碇君、これ、どうやって食べるの?」
「これはね、フォークで、こうして・・・・」
僕は、綾波に、スパゲッティーの食べ方を教えながら、楽しく、昼食をとった。
しかし、この綾波の突然の・・・もちろん、既に少しずつ変わってはいたのだ
が・・・変化には驚かされた。しかし、僕は、その変化がとても嬉しかった。
きっと、社会には、まだまだ、綾波が知らないことは沢山あるだろうけど、な
んとか、なっていきそうだ。そんな、予感のさせる出来事だった。
◇ ◇ ◇
「じゃあ、まず、服を買おう」
そういって、僕達がはいったのは、駅前の大きなショッピングセンターだ。こ
こなら、いろんな物があるし、それに、専門店と違って、そんなに高くない。
と、思ったのだが、なぜ、女物の服はこんなに高いんだ?
僕は、その値段を見て、ちょっと、ぎょっとしたが、そんなことを綾波に気づ
かせてはいけない。まあ、父さんに渡されたカードがあるし、何とかなるだろ
う。
綾波も、これだけ、いろんな種類の服があるのに少し驚いたようだ。
「綾波、どんな服がいいかな?少し、いろいろ着てみる?」
「・・・・そうね」
そういうと、僕は、綾波に似合いそうな服を片っ端から、綾波に着せてみた。
試着室を使うのが始めての綾波は、下着姿のまま、一度、外へ出てきてしまい、
僕を慌てさせたが、僕が、そういうのは・・・服を着ずに人前に出るのは、い
けないんだと教えると、不思議そうな顔をしたが、素直に、試着室にはいって
くれた。
綾波も、いろんな服が着れて、楽しそうだった。しかし、どれを選んでいいか
綾波にはよく分からないようなので、結局、やはり、僕が選んであげることに
なった。
僕には、どの服も、綾波にはよく似合うように思えて、どれにしていいのか迷
ったが、とにかく、真っ先に決めたのは、綾波の肌のような真っ白なワンピー
スだった。ただし、これは結構いい値段のするものであった。次の一着は、値
段も手頃な、うすい黄色のブラウスと、空色のスカートにした。一着目ぐらい
は僕のこづかいで買ってあげたい。そう思ったからだ。その他、帽子、靴、Tシ
ャツ、パジャマなどを買ってあげた。これらは、白のワンピースを含めて、悪
いけど、父さんのカードを使わせてもらった。
どれも、よく似合っている。僕がそういうと、綾波はうれしそうに、顔をほん
のすこし、赤らめた。綾波のそんな様子をみて、僕はとても嬉しくなった。
「綾波、服選ぶのたのしかった?」
「ええ、とっても」
「綾波も女の子なんだなあ」
「そ、そう?・・・・それに、碇君が、真剣に選んでくれたから・・・・それ
が、とても、うれしかった」
「あ、ありがとう。そういってもらえると、僕もうれしいよ」
「わたしこそ、ありがとう。碇君」
僕が、綾波にお礼をいって、笑みを見せると、綾波は、極上の笑顔でそう答え
た。綾波の表情も本当に、見違えるように、豊かになった。僕は、いろんなこ
とが、嬉しくて、最高の笑顔で綾波を見つめ返した。
「じゃ、じゃあ。次は、本屋さんに行こうか。料理の本買おうって、約束して
たもんね」
「うん」
そういうと、僕達は、いつものように、腕をくんで、歩きだした。正直いうと、
僕は、買ったばかりの綾波の服を抱えていたので、とても歩きづらく、なんで、
女物の服は、こんなにかさ張るんだ?と思っていた。綾波もそんな僕を気にし
て、持とうか?と聞いてくれたが、それを、僕は、断った。
「こういうのは、男の役目なんだ。僕は、綾波のために持ってあげたいんだ」
「そう・・・でも、わたしも碇君のために、持ってあげたいの。だめ?」
そんな目をしていわれて、ダメといえるはずもなく、結局、ひとつ、一番小さ
な袋を持ってもらうことにした。
「じゃあ、これ、おねがいするね。綾波、ありがとう。やさしいんだね」
「ううん、わたしのわがまま聞いてくれて、碇君こそ、やさしいのね」
「・・・どうしたの?碇君、顔、真っ赤よ」
綾波の言葉に僕は、思いっきり、照れてしまって、顔がまっかになってしまっ
たようだ。でも、そういう綾波だって、ほんのり、頬に赤みがさしているのだ
った。
本を買って、エプロンを買った・・・僕のも、もう、だいぶ汚れていていたか
ら、お揃いでそろえた・・・後、僕は少し、迷った。あと何が必要だろう?僕
は、自分と同い年ぐらいの女の子の生活になにが必要なのか、考えたのだが、
何も浮かばなかった。僕は、女の子のことをしらなすぎるのだろうか?
「あの、綾波、あと、何買おうか?綾波はなにか考えついた?」
「ごめんなさい、わたし、何も思いつかないの。なにが必要なのか」
「い、いいんだよ。別に気にしなくても、それに、ごめんね。僕も思いつかな
くて・・・・で、でも、そうだ。アスカにでも聞いて、いろいろ、だんだんと
揃えていけばいいよね。焦る必要はないよね」
「ええ、そうね」
綾波が、悲しい目をしたので、僕は、綾波を慰めるようにそういった。結局、
二人とも、何も買うものが思いつかなかったので、そのまま、帰ろうとして、
エスカレーターで、一階へ降りて来た。そこで、僕は、あるものに目をとめた。
「そ、そうだ。綾波、ちょっといい?」
そういうと、僕は、今、目にはいった、化粧品売場のほうへ綾波を引っ張って
いった。そして、綾波の顔をしばらく眺めて、僕は、決めた。
「綾波、このピンクの口紅どうかな?似合うと思うんだけど」
「口紅?」
「そう、唇につけるんだ。僕は、化粧はあまり好きじゃないけど。綾波なら、
この薄いピンクのがよく似合って、綺麗だとおもうんだ。プレゼントさせて欲
しい。いいかな?」
「ええ、碇君。ありがとう。とても、うれしいわ」
「そんな、僕こそ、受け取ってくれて、ありがとう。綾波」
綾波は、店員さんの包んでくれた口紅を僕から受け取ると、自分の鞄にいれて、
嬉しそうに微笑んだ。よかった。綾波が喜んでくれてる。僕は満面の笑みを返
した。
「じゃ、帰ろうか。きっと、アスカが待ってる」
「そうね」
そういうと、僕達は、帰途についた。僕達のうちへ・・・・
ただ、本当に、荷物が多く、僕は、学校の近くの駅前で買いものをしたのをち
ょっと、悔やんでいた。もっと、うちの近くで、すればよかった。これば、計
算外だ。綾波だけじゃなく、僕も、社会をもっと知る必要がある。綾波のため
にも、もっと、いろんなことを知らなくちゃ。そう、僕は、こころにおもった。
綾波は、そんな僕を心配そうに見ていた。
◇ ◇ ◇
「おっそいじゃない!アタシのお昼ご飯は、どうしたのよ!バカシンジ!」
「ご、ごめん、アスカ」
少し、予想はしていたのだが、やはり、アスカはうちに帰っていた。いきなり、
怒鳴られたので、反射的に僕は謝ってしまった。
「碇君は、ばかじゃないわ」
そんなアスカを綾波がキッとにらんで、こういった。僕も驚いたが、アスカは、
もっと驚いているようだった。だが、その程度で、黙ってるアスカじゃない。
「アンタ、一人前に、口、聞けるようになったじゃない」
「そうね・・・とにかく、碇君は、ばかじゃないわ。とりけして」
アスカは綾波を睨み返したが、綾波の気迫に負けたのかあっさり、僕に謝った。
「分かったわよ。ゴメンね、シンジ」
「い、いいんだよ。そんな・・・綾波、アスカは別に、本気で僕がバカだって
いってるんじゃないだ。なんていうか、アスカの愛情表現みたいなものなんだ
よ」
「そうなの、ごめんなさい。わたし・・・」
「バ、バカ。シンジ、何いってんのよ、突然。照れるじゃない」
「アスカが照れるの?」
僕は、いつもやられているので、ここぞとばかりに攻撃した。
「う、うっさいわね。それより、アンタたち、仲良く、腕組んで、お買いもの
だったわけね。いいわねー。どこまでいったの?」
「う、うん。学校の近くの駅前のショッピングセンター」
「アンタばかあ〜?そうじゃなくて、ド・コ・マ・デ・いったの?って聞いて
るの」
「そ、そんな。まだ、どこまでもいってないよ!」
「そ、『まだ』なのね。やっぱり心配だわー。アンタたち二人で暮らさせるの。
コドモは出来ないように気をつけるのよ、シンジ」
「ア、アスカ!」
アスカは、仕返しとばかりに、突っ込んで来た。僕は、真っ赤に赤面した。そ
んな、僕達を黙ってみていた綾波が、冷静につぶやいた。
「コドモ・・・・どうやったら・・・・出来るの?」
「そのうち、教えてあげるわよ、レイ。それとも、シンジが直接教える?」
「も、もう勘弁してよ、アスカ。僕が悪かったよ」
「そうね、じゃ、勘弁してあげるわ。おかえり、シンジ、レイ」
アスカはにっこり笑って、答えた。
「ほら、ただいまはどうしたの?」
「ただいま」
「・・・・ただいま」
「そう、私たちは家族なんだから、帰って来たらただいまっていうのよ。レイ」
「わかったわ」
「それから、アンタは、そこの部屋使ってね。アタシ荷物はもう、引っ越した
から」
「はい、ありがとう、アスカさん」
「アスカでいいわよ、レイ」
「も、もう、引っ越しちゃったの?アスカ」
「所長の部屋に荷物、ブチ込んだだけよ。心配しなくても、リフォームがおわ
るまではこっちにいるわよ」
「そ、そうなんだ」
「残念ね、シンジ。レイとふたりっきりになれないで」
「ア、アスカ!」
アスカのしつこいからかいに、いくら僕でも切れてしまって、叫んだのだが、
アスカは、そんな僕には気にもとめず、綾波のほうを見た。
「さ、ぼっとしてないで、名残惜しいんだろうけど、腕を外して、部屋で着替
えてらっしゃい。服買ってもらったんでしょ?」
「はい・・・アスカ」
そういうと、レイは、僕から腕を外して、部屋へ入っていった。僕は、アスカ
を見た。アスカは、微笑ましそうに、綾波を見ていた。
「ありがとう、アスカ。あ、でも、ホント、昼飯はどうしたの?ごめんね。す
っかり、忘れてて」
「いいわよ。もう、済ませたから。でも、アタシのお昼ご飯を忘れさせるヒト
ができたのねえ、シンジにも」
「ア、アスカ。もう、勘弁してよ。悪かったよ」
「分かってるわよ。いいじゃない、別に。ホントのことなんだから」
「う、うん」
「ほー、やっぱりそうなんだ!」
「ア、アスカ!」
「じょ、冗談よ。ホントに、面白いわね。アンタからかうの。いいから、アン
タも、着替えてくれば?」
「わかった、そうする。でも、今日は本当にごめん。アスカ」
「いいのよ。さっ、アタシは、レイの着替え、手伝って来るわ。あの子、一人
じゃ、どう着ていいかわかんないでしょ?きっと」
「そうだね。たのむよ、アスカ」
そういうと、僕は、自分の部屋に入った。アスカがあんなに楽しそうに、自然
に綾波を迎え入れてくれたことが、僕はとても嬉しかった。アスカ、本当にあ
りがとう。それにしても、今日はとても疲れた。
◇ ◇ ◇
「どう、シンジ?」
僕が、着替えて、リビングで、ホッとひといきついていると、アスカに引き連
れられて、綾波が入って来た。
「・・・・」
真っ白な、ワンピースにピンクの口紅をつけた綾波は、とっても綺麗だった。
綺麗というか、その、人じゃないような。降ったばかりのわた雪だけでつくっ
たお人形さんのような、そんな不思議さがあった。そして、瞳だけが、赤くひ
かって、なんだか、この世のものとはおもえないような、綾波だった。
「なに、ぼーと、みとれてんのよ、シンジ」
そんな、アスカのちゃちゃなんかまったく耳に入らず、ただただ、僕は見つめ
た。僕の耳に入ったのは、綾波の小さな一言だった。
「碇君?わたし、どう?」
「き、綺麗だよ。とっても。驚いちゃった。普段から、綾波は綺麗だけど。見
違えちゃった」
「ありがとう、碇君」
「で、でも、綾波、その服は、どこかいく時とか、特別な日とかに着るって買
ったんじゃないか。うちで着るのはもったいないよ」
「・・・そう」
綾波は、少し、残念そうな顔をして、答えた。
「アタシもそういったんだけど。この子、これ着るって聞かないのよ。ね、も
っと、普通の服に着替えましょ!レイ」
「でも、今日は、特別な日だわ・・・わたしが、始めて、碇君と腕を組んだ日、
チョコレートパフェを食べた日、スパゲッティーを食べた日、買いものをした
日、そして、碇君と家族になった日」
「・・・そうだね、僕も、その綾波の姿をもうすこし見ていたいし、もうすこ
し、その服着てて。でも、夕食の時は、汚すといけないから、着替えるんだよ」
「うん、そうする。碇君は、きっとそういってくれると思ってた」
そんな、綾波の今日という日に対する思いが、僕にも分かるので、優しくそう
いうと、綾波は、微笑みを浮かべて、僕にそういった。
「はいはい、分かったわよ。好きにすれば?」
「あ、ごめん、アスカ。アスカも綾波のこと考えていってくれたのに」
「いいのよ。でも、アタシの前では、そうやって、いちゃつくのはやめてね。
・・・・なんとなく、腹が立つから」
「ご、ごめん」
アスカは、顔を赤く染めて、そう僕にいったので、僕も、綾波と見つめあって
いたことに、気づいて、真っ赤になってそういった。
「ところで、アンタたち!これから、アンタたちは家族なんだから、いつまで
も、碇君だの、綾波だのって名字で呼ぶのやめなさいね」
「そ、そんなこと・・・いったって・・・」
僕が、アスカに抗議すると、アスカは綾波の方を向いていった。
「いいこと!レイ。シンジのことは、これから、シンジって呼ぶのよ。わかっ
た?」
「わかったわ」
「ほら、レイは素直じゃない。アンタはどうなの?シンジ!レイって呼んであ
げられないの?」
「そ、そんなことないよ」
「じゃ、決まりね。とにかく、少なくとも、うちではそう呼ぶのよ!」
「わかったよ」
「じゃ、呼んでみて」
「え、いまー?」
「アンタばかあ〜?あったりまえじゃない。こういうことは慣れなのよ。さっ」
「・・・・レイ」「・・・・シンジ・・・・くん」
「ダメ!レイ!『くん』は、つけなくてもいいの。『くん』は」
「・・・・はい」
アスカはまるで、先生のようにレイにそういう。
「じゃ、やり直し。さあ、もう一度、シンジからよ」
「う、うん」
「レイ・・・・」「シンジ・・・・」
僕らは名前を呼びあって、見つめあった。これじゃあ、まるでトウジだ。そん
な、僕達をみて、アスカが感想を漏らした。
「なんだか、むかつくわね」
「ア、アスカがそうしろっていったんだろ!」
「そうよ。だから、とりあえず、それでいいのよ。さ、とにかく、これで、み
んな家族よ」
「う、うん」
僕達三人は、それぞれ、顔を見合わせ、笑顔を注ぎあった。これからの生活は、
いつも綾波と一緒だ。どんなことがおこるだろう?僕は、楽しみでもあり、不
安でもあった。一体どうなることやら。
「シンジ!なに、ボケボケっとしてんのよ!そろそろ、買いもの行かないと、
夕食に間に合わないわよ!今日は、レイの歓迎会をやるんだから、ご馳走つく
ってよ」
「あ、ああ。わかったよ、アスカ。そういえば、ケンスケ達が、明日、綾・・・
レイの歓迎会をやるって、昼にうちにくるよ」
「そう、ヒカリも来るの?久しぶりね。最近、鈴原にべったりで、つき合い悪
いのよね、ヒカリ」
「そう?でも、洞木さんも、アスカのことそういってたよ。最近、つき合い悪
いって」
「アタシは、仕事なんだからしょうがないじゃない。まあいいわ、明日は明日、
今日は今日よ。とにかく、今日もご馳走つくんのよ!」
「う、うん」
そういうと、僕は、買いもの籠を手にとった。綾波・・・いや、・・レイもつ
いてきたそうにしたが、アスカにつかまってしまった。
「レイはいいのよ。うちにのこんなさい。ちょっとは、アタシの相手もしてよ。
今日は、一人で退屈だったんだから!・・・・それにね、ちょっと、話があん
のよ・・・・」
なんか、アスカが・・レイになにかよからぬことを吹き込んでいるようだった
が、僕は、二人が仲良さそうに、話をしているのをほほえましく見ながら、家
をあとにした。
◇ ◇ ◇
家にかえると、あy・・レイはちゃんと、普段着に着替えて、アスカと話をして
いた。そんな・・レイをちらっと確認してから、僕は台所にいった。今日は、
ハンバークをつくる。
「いか・・・・シンジ、わたしも手伝うわ」
振り向くと、・・レイが、今日かってあげたエプロンをつけて立っていた。僕
と、お揃いだ。
「いいの?アスカの相手しなくて」
「うん、アスカがこうしろって」
「ふーん、じゃ、じゃあ、手伝ってもらおうかな。まず、材料をだして・・・」
そうして、僕は、・・レイに教えながら、料理を作った。そんなわけで、今日
の夕食は少し遅くなってしまった。
「シンジー、まだー?アタシ、おなかぺこぺこよ」
「ごめーん、アスカ。もうちょっとで出来るから」
「ごめんね、・・シンジ、わたしが邪魔してるから、遅くなってしまって」
「そ、そんな、・・レイは悪くないよ。レ、レイは、一生懸命、僕を手伝って
くれているんじゃないか」
「ありがとう、シンジ・・・」
どうも、まだ、名前で呼びあうのはなんとなく、お互いぎこちない。新婚家庭
はこんな感じなんだろうか?などと、ふと、想像してしまい、僕は、慌てて、
照れてしまった。・・レイも、何を思っているのかはわからないが、すこし、
照れているようだ。
そうこうしているうちに、ようやく、料理もできあがり、レイの歓迎会を兼ね
た少し遅い夕食をとった。
◇ ◇ ◇
夕食後、アスカとレイは一緒に風呂に入った。レイは、きっと、人と一緒に風
呂なんか入ったことはないだろう。どんな、会話が二人のあいだでかわされて
いるのだろうか?僕は、食器を洗い終って、リビングでくつろぎながら、そん
なことを考えていた。そして、おもわず、ふたりの裸を想像してしまい、あの、
レイの裸がつい、頭に浮かんで来てしまって、大急ぎで、それをかき消した。
ダメだ、そんなの想像しちゃ!そうは、いっても、昨日、綾波の部屋に行った
ときは、いきなり、全裸だったし、今日は、下着姿を見せられてしまったので、
その、僕の頭にこびり付いてしまった、綾波の姿を消すのは大変だった。
だから、レイが・・・アスカと一緒に・・・風呂から上がって、リビングに入
って来た時、僕は、かなり、慌てて、顔を真っ赤にしてしまい。レイと目が合
わせられなかった。そんな僕の様子を見てとったのか、アスカがからかうよう
にいう。
「あら〜?シンジ。なんで、そんなに真っ赤なの?なにか、変なこと想像して
たんじゃない?やらし〜!」
「そ、そんなんじゃないよ。アスカ、なにいってんだよ」
「まあ、いいわ、それより、レイがシンジに、少し、話があるんだって」
あっさり、アスカが引き下がったので、少し、変だなと思ったのだが、レイの
方を見ると、レイは、なにかモジモジして、なにか言いたそうな顔をしていた。
「なに?レイ」
「シンジ・・・今日は、わたしのために、いろいろ、ありがとう。素敵な服や、
口紅まで、プレゼントしてくれ」
「そ、そんなのいいよ。お礼なんて」
「ううん・・・だから、わたし、ひとつ、シンジにプレゼントがあるの」
「な、なにかな?うれしいな。そんなの用意しててくれたんだ」
「・・・用意してたわけじゃないの」
「そ、そう。で、レイは、僕に何をくれるの?」
一体、なにをくれるのだろう。僕は、ドキドキときたいに胸を膨らませた。す
ると、レイは、異常に、かわいらしい小さな声で、いった。
「わ・た・し!」
「え、ええ?えええ?綾波!・・・・・・・・」
「お風呂で、綺麗に洗って来たのよ。わたしじゃ、嫌?」
な、何を言い出すんだ。急に、綾波は、僕は、絶句して、なんて答えたらいい
んだかわからず、顔を赤くしたり青くしたり、白くしてみたり。さながら、万
国ビックリ変人ショーのように、目を白黒させてしてしまった。
「嫌?」
「い、嫌なことあるわけないじゃないか!」
そう、いって、すこし、アスカの目が気になったので、アスカの方をみると、
クックッと、声を殺して、笑いころげているアスカが見えた。それを見て、僕
は気づいた。
「ア、アスカだな!レイにこんなこと教えたのは!」
僕は少し冷静になって、また、レイの呼び方をレイに戻して、アスカに叫んだ。
「そ、そうだけど・・・ハハハ・・・こんなに・・・ハハハ・・・うまく・・・
ハハハ・・・はまるなんて・・・ハハハ・・・あー苦しい。もう、止めて!」
そういって、アスカは、大笑いをしながら、涙まで流している。
「ア、アスカ、ひどいよ。レイがなにも知らないと思って!」
「あら、わたしは、本当に、わたしをシンジに、あげたいのよ」
「レ、レイ!意味分かって言ってるの?」
「わかってるわ。わたしが、シンジの所有物になるっていうことでしょ?」
「・・・・」
だめだ。ちゃんと、僕が教えてあげなくちゃ。アスカもアスカだ。レイが、こ
うだということは分かってるくせに。せっかく、僕が社会のことをいろいろ、
レイに教えてあげているっていうのに。
「レイ、いい?言葉には、表の意味と、裏の意味って言うのがあって、ちょっ
と、ストレートには、言いにくいことは、別の言葉で、遠回しにいうことがあ
るんだ。だから、その・・・今の、言い方は、その・・・別の意味に、とれる
んだよ」
「そう、ごめんなさい。アスカが、こう言いなさいっていうから」
「やっぱり!で、でも、アスカも別に悪気があって、そう言ったんじゃないと
思うよ。アスカはたまにそうやって、人をからかう悪い癖があるんだ。アスカ
を許してあげてね」
「うん」
これは、半分、自分に言い聞かせるつもりで、いったのだが、それでも、やっ
ぱり、アスカには腹が立つ。今だに、収まらない。
「これからは、なるべく、何かする時は、その前に、僕に相談してね」
「ええ、わかったわ。・・・ところで、今の場合の別の意味ってなんだったの?」
「え、それは、その・・・・」
僕が教えないで、誰がレイに教えるんだ。また、綾波が同じような失敗をして
もいいというのか?でも・・・・とにかく!僕が言わなくっちゃ。
「それはね、女の人が、男の人に、『わたしをあげる』って言う場合は、これ
から、その・・・コドモを作る行為を・・・しましょうって言ってるのと同じ
意味にとれるんだ」
僕は、慎重に、言葉を選びながら、レイになるべく分かるように説明した。レ
イは、なんとなく、分かったのか・・・あるいは、なにか、アスカに聞いてし
っていたのか・・・顔を赤くして、黙ってしまった。
「・・・・ごめんなさい。わたし・・・・」
「い、いいんだよ。レイは、なにも知らなかったんだし」
「・・・・でも、シンジのコドモなら、つくってもいいわ」
小声で、レイはこんなことをつぶやいた。
「レイ!」
「そうか、わたしたち、まだ、高校生だからまだ早いのよね。そうだったわね、
アスカ」
レイの最後の台詞は、アスカに向けられたものだ。アスカはあいかわらず、バ
カ笑いをしている。レイに、そう言われて、笑いを抑えて答えた。
「そ、そうよ。クククク・・・・ほんと、アンタ達見てるとあきないわね」
「アスカ!そもそもアスカが、悪いんじゃないか!レイをそそのかしたりして
さ。少しは反省してよ」
「ごめん、ごめん。反省してるわよ。でも、レイがいいだしたのよ」
「そんなはずないだろ!」
「ホントよ。今日は、シンジにいろいろ親切にしてもらったから、なにか、お
返しをしてあげたいって相談されたから、シンジが一番喜ぶものを、アタシが
教えてあげたんじゃない。それに、『嫌なことあるわけないじゃないか!』な
んでしょ?・・・ハハハハ・・・・『・・・わけないじゃ・・・』・・・・ハ
ハハ・・・」
アスカは、また、さっきの僕の台詞を思い出して、笑いころげた。
「ちぇ、もういいよ」
僕は、怒りよりも、むしろ呆れてしまって、そんなアスカをほっておいて、
レイの方を向き直した。
「レイ、ありがとう。レイの気持ち、とても、うれしいよ」
「そ、そう?・・・でも、わたし、なにもシンジにあげるもの、ないから」
「いいんだよ。レイ。レイは、そこにいてくれるだけで、僕は、嬉しいんだか
ら、それに、僕がレイになにかしてあげて、それで、レイが喜んでいるのを見
ているだけで、僕は、幸せになれるんだ。だから、その、レイの笑顔が僕への
おくりものだとおもってくれたらいい」
「そう・・・・ありがとう。シンジ」
レイは、天使のような微笑みを僕に向けた。
「そう、その笑顔が最高のプレゼントだよ。ありがとう。レイ」
「そうして、シンジが喜んで、笑顔で、見つめてくれるのもわたしにとって、
最高のプレゼントよ」
「レイ・・・・」「シンジ・・・・」
◇ ◇ ◇
「ちょっとアンタ達!いつまで、見つめあってたら気が済むのよ!なーんか、
腹立つわ!そういうの。まるで、アタシが一人ぼっちみたいじゃない」
「ああ、アスカ、ごめん。ほっといちゃって」
「・・・ごめんなさい」
「まあ、いいわ。今回は、アタシも悪かったしね。ごめんね、レイ」
「いいの、アスカのおかげで、滅多にいえないことも言えたし・・・また、だ
ましてね!?」
「まっかせておいて!」
「や、止めてくれよ!もうー、アスカったら」
全然、反省の色の見えないアスカであったが、とにかく、アスカがいると、会
話が弾む。今夜は、ソファーに座って、遅くまで、三人で談笑しあった。中に
は、僕の赤面してしまうような話もあったが、レイは、興味深そうに聞き入っ
ていた。アスカがまた変な話をレイにしないように見張ってなければならない
ので、僕は逃げるわけにもいかず、赤面して、そんな話も聞いていた。
「さっ、もう寝ましょうか?」
そう切り出したのは、やはり、アスカだった。さすがに、喋りつかれたのだろ
う。アスカがそういうと、レイも、名残惜しそうに、立ち上がった。
「レイ、また明日、沢山、はなししようね」
「うん、シンジ、それから、アスカ、おやすみなさい」
「うん、レイ、それから、アスカ、おやすみ」
「アタシはおまけなのー?・・・・じゃ、二人とも、おやすみ」
そういうと、三人ともそれぞれの部屋へ入っていった。
つづく
あとがき
どうも、筆者です。第四話をお届けしました。
今回は、ちょっと長かったですね。
それにしても、、大変ですね、シンジ君。
むちゃくちゃ羨ましいですけど。
ホント、腹立つ程、羨ましい。
頑張れ!アスカ!茶化しまくってやれ!
また、レイコさんが出てきてしまいましたね。
結局、こういう、茶化してくれるひとがしないとダメなんですね。このふたり。
しかし、トウジたちもそうだけど、シンジたちも、
すぐ、『キックオフ』\(^{*1}\) 状態になってしまうのもなんとかしなければ。
・・・あまりにも、安易すぎる。
それから、ごめんなさい、アスカ様、すっかり茶化し役にしてしまって、
アスカ様は、大人なんです。
大人なんですが、ちょっと寂しいです。
アスカ様は、絶対に、筆者が幸せにしてみせます。(って、いったい?)
話は、バラバラですが、(まあ、あとがきというか、雑感ですから)
『綾波』と『碇君』から、『レイ』と『シンジ』になりました。
これには、筆者も、勝手に手が、綾波と動いてしまって、苦労しました。
でも、これで、『レイが好き!』というタイトル通りになったわけです。
しかし、アスカ。『シンジくん』ぐらいで、勘弁してやって欲しかった。
だって、だんだん、アスカとレイの台詞の区別がつきにくくなって
しまったのだもの。筆者にすら・・・・分からないわ・・・・・
すいません、しっかりかき分けができなくて、
『アタシ』といってるのが、アスカで、
『わたし』といってるのが、レイです。
一応、それ以外の人は、『私』といってます。
そんなわけで、次回は、みんな集合しての綾波歓迎会(のはず)です。
筆者としては、一斉に皆が喋りあうというのがとても恐いです。
なんとか、一人づつ喋るようにしてくれるとありがたいです。
あるいは、もしかしたら、その前に、
夜のうちに何か事件があったりして・・・
(今回の最後の方の会話が伏線だったりして・・・嘘です。たぶん)
それでは、
もし、あなたがこの話を気に入ってくれて、
そして、もしかして、つづきを読んで下さるとして、
また、次回、お会いしましょう。
\(^{*1}\)
分かる人には分かると思いますが、昔の漫画です。その中で、陸上からサッカ
ーへ転向したの主人公・永井太陽くんと、マネージャーの女の子(あれ?女の子
の名前忘れちゃった!お兄さんの名前なら、憶えてるんだけど・・・確か、野
球部のキャプテンで、大地という・・・・違う、これは、太陽くんの兄貴だ。
女の子のお兄さんは、サッカー部のキャプテンだ。ええと、荒井由美だったけ?
これじゃあ、ユーミンだっつーの!キミちゃん(ミキちゃん?)は、妹のような
ライバルだし、たしか、聖子ちゃんというのも出てきた。あー、もう!ここま
で、でてるのに!誰か、知ってる人、メール下さい!)が、いつも、見つめあっ
てました。
『なんて、安易な』と思って・・・だって、ふたりの顔のアップがしばらく続
くんだもん・・・でも、いつも、読んでました。すこし、憧れながら・・・・
注:分かる人には、分かると思いますが、\(^{*1}\) は、Tex の書式で、
上つきの *1 です。(って、ごめんなさい、遊んじゃって・・・・)
つまり、注1ってこと。
つづきを読む/
INDEXへ戻る