レイが好き!
第七話
約束


なんとか、アスカたちの追求からのがれ、ビールもようやくそこをついてきた
ところで、僕は、コーヒーをいれに、逃げるように台所へやってきた。

「ふう、まったく、アスカたちにもまいるよ。まったく」

「そうね。わたしもどうしていいのか、わからなかったもの」

振り向くと、レイも僕についてきて、そこに、立っていた。

「レイ、ごめんね、こんな歓迎会にしちゃって」
「ううん、それは、シンジのせいではないわ」

「う、うん、そうだけど・・・でも、僕がもっとしっかりしてたら、アスカに
なめられないような男なら・・・」
「でも、わたしは、そんなシンジが好きなのよ・・・誰にでもやさしくて、人
のことをいつも考えていて・・・」

「あ、ありがとう、でも僕は、もっと頼りがいのある、強い男になりたいんだ。
そうしたら、いま以上に、レイのことをまもってあげられるのに」
「・・・シンジは、わたしにいったわ、あせることはないって・・・だから、
一緒に成長していこうって・・・」

「う、うん、そうだね。ありがとう、レイ」
「ううん、シンジこそ、ありがとう。わたしのために・・・」

レイは僕の目の前にたって、僕の顔を見上げる。『キスの約束』僕はそれを思
い出した。確かに、いまは、まわりに誰もいない。レイは、僕の目を見つめる。
僕は、いきを飲んだ。

「レ、レイ!」
「なに?シンジ」

「さ、さっきの約束・・・」
「・・・・うん」

レイは、目を閉じる。僕は、レイの両方に手をかけ、レイの顔に、自分の顔を
近づける。

「あ!ごめんなさい」

突然のそんな声で、僕は、ぱっと、レイを放し、声の方を向いた。洞木さんが、
固まって、立っていた。

「ほ、洞木さん」
「ご、ごめんなさいね。碇君。私、出直して来るわ」

洞木さんは、ようやく、かな縛りからとけたように動き出すと、回れ右をした。

「ほ、洞木さん。そんな、いいんだよ。別に、その・・・」

そんなんじゃない訳はないので、『そんなんじゃない』とはいえず、僕は、黙
り込んでしまった。そうだ、レイは気を悪くしてるんじゃないだろうか?僕は
レイを見た。しかし、レイは気にした風もなく、洞木さんに話しかけた。

「ヒカリ、なんのようだったの?」
「う、うん、レイ。ごめんね。ケーキ切って、出そうかと思って・・・」

「そう、そうね。ヒカリがわたしのためにつくってくれたのだものね。わたし
も、食べたいわ・・・ケーキってはじめて」
「そ、そうなの?もちろん、レイに食べてもらうために作ったんだから、たべ
てよね」

「うん、ありがとう」
「そ、それじゃあ、僕は、コーヒーを入れるから、二人で、ケーキを何とかし
てよ」

「わかったわ。じゃあ、レイ、切りましょう。大きいのあげるからね」
「わかったわ・・・でも、シンジ、わたしはいつでもまってるから・・・」

そういうと、レイは僕の側から離れ、洞木さんのほうへケーキを切りに近寄っ
ていった。僕は、そんなレイにうなずいてから、コーヒーをいれに、戸棚へむ
かった。

「おお!ええもんきっとるな」

トウジの声が背中から聞こえる。あれだけ食べたのにまだ、食欲があるのか。
あるいは、そんなに洞気さんにかまってほしいのか?僕は、クスッと笑いなが
ら、振り返らずに話を聞いていた。

「トウジ、おとなしく、向うで待ってなさい!すぐ持っていくんだから・・・
暇なら、この袋に、空き缶、集めてきなさい」
「えー、なんで、わいがそないなことを・・・」

「わたしのいうことが聞けないの!」
「わ、わかったがな。そないに、怒鳴らんと・・・」

さすがのトウジも・・・さっき『関白宣言』をしたばっかりなのだが・・・ゴ
ミ袋をもって、リビングの方へ去っていったようだ。

「いい人ね、鈴原君・・・」
「そうね、でも、ダメよ。あれは、私の・・・だから・・・」

「わかってるわ」
「そうね、レイには碇君がいるもんね」

「うん」
「でも、あまり、人前でべたべたするのはだめよ・・・って、あんまり人のこ
とはいえないけどね、私も」

「うん、わかってる。シンジも嫌がるし・・・わたしは、シンジの嫌がること
はしないわ」
「そうね・・・さあ、切れたわよ。どれがいい?レイ。これなんか大きいけど」

「ううん、大きいのは、鈴原君にあげて、わかってるもの・・・ヒカリがほん
とうは誰のために、これ、つくったのか・・・わたしならそうだから・・・」
「いいのよ、別に。トウジになら、いつでも作ってあげてるんだから、ホント
よ。そのうち、レイにも作り方、教えてあげるわ」

「ほんとう?ありがとう、ヒカリ・・・とても、うれしいわ」
「レイ、料理好き?」

「そうね、好きだわ。人のために・・・シンジのために・・・なにかできるこ
とはないかって思うから・・・わたしにできるのは・・・料理ぐらいだから」
「そうね、人のために、なにか作るのってたのしいのよねー」

「うん」
「じゃ、そろそろ、持っていきましょう。碇君の方はどう?」

僕は、二人の話に聞き入っていて、『いいもんだなあ、こういうのも』なんて、
感動していた。突然、話がこちらにきて、慌てて僕は、コーヒーメーカーを確
認した。水は、既に、茶色い液体となって、ガラス容器に落ちていた。

「あ、うん、そろそろ、出来たみたい。すぐ、カップに入れて持っていくから、
先に、ケーキ持っていって」
「わかった。じゃあ、お先に。レイ半分持ってね」
「うん、わかったわ」

僕が、コーヒーをもっていくと、既に、みんなにケーキが行き渡っていた。

「シンジ、ここへきて・・・これ、シンジの分」
「うん、レイ。ありがとう」

僕は、コーヒーを配りながら、移動して、僕は、レイの横に座った。まわりを
みると、ケンスケも起き上がっていた。

「ケンスケ、もう大丈夫なのか?」
「ああ、なんとか・・・もう、ビールの匂いもだいぶなくなったし・・・コー
ヒーが欲しい」

「ああ、飲んでくれよ」

ケンスケにも、コーヒーを渡した。そういえば、さっきまで、散乱していたビ
ールの空き缶がきれいに片付けられている。・・・トウジが片付けるようなこ
とをいっていた・・・僕がトウジの方をみると、トウジは、ほんのふた口ほど
で、ケーキをたいらげてしまって、洞木さんのケーキに手を出して、手を叩か
れているところだった。

「トウジ!どうしてアンタはそう食い意地が張ってるの!もっと、味わって食
べてよね。もう、しょうがないんだから」

そういいながらも、洞木さんは、自分のケーキを半分にきって、トウジの皿に
半分のせた。レイもそんな様子をみていたようで、僕にこんなことをいった。

「シンジ。シンジも半分食べる?」
「い、いいよ。レイ、たべなよ。僕は、トウジほど、食べないから」

僕の分だって、そんなに減ってる訳じゃない。

「それに、レイのために、洞木さんがせっかく、作ってきてくれたのに、僕な
んかにくれちゃ、悪いじゃないか」
「そうね、ごめんなさい。ヒカリ」

「い、いいのよ。レイにあげたんだから、レイの自由にすれば」
「うん、わたし、自分で食べる。シンジには、わたしが作ったのをあげるわ」

「そうね、それがいいわ。きっと。その方が碇君もうれしいものね」
「そ、そんなこと・・・」

「ないの?」

アスカがにやっと笑いながら、口をはさんできた。

「そ、そんなこと、どうだっていいだろ」
「あら、シンちゃーん、それは、よくないわよ。レイにとっては、重要なこと
よ。ちゃんと答えてあげなきゃ。ねー、レイ」

「わたしは、いいの・・・わかってるもの・・・信じているもの」
「お、いってくれるわねー。この子も、照れもせず」

「なぜ、照れるの?」

レイとしては、やはり、僕のちゃんとした答えが欲しかったに違いない。しか
し、僕が嫌がっているので、我慢したに違いない。でも、もうすこし、自分の
気持ちをあまり言葉に、ストレートに出すのをひかえてほしいところだ。僕は
こんなことを思っていた。

いつの間にか復活したケンスケは、コーヒーを一口飲むと、まだ、かなり、気
持ち悪そうだったが、カメラをもち、4人の美女をしきりに撮っていた。さす
が、ケンスケ、根性が違う。

「ケンスケ、大丈夫なの?ちょっと、やすめばいいのに」
「いや、もう、大丈夫。こんな機会・・・美女が4人も揃う機会なんて、滅多
にないからな」

「そうか・・・でも、無理すんなよ」
「ありがと、でも、大丈夫だ・・・それより、シンジ、うまくいってるみたい
で・・・よかったな」

「うん、ありがとう。ケンスケ」

ケンスケは、初日・・・一昨日・・・から、僕を心配して、レイの写真をくれ
たり、励ましてくれたりしてくれていたのだ。僕は、本当に、ケンスケに感謝
している。

「本当に、ありがとうな、ケンスケ」
「ああ・・・い、いまは、ちょっと話かけないでくれ」

ケンスケは、カメラにむちゅうの様子だ。本当にありがとう、ケンスケ。邪魔
はしないよ。

それから、ほどなく、みんなが、ケーキをたべおわった。

「ああ、今日は、いっぱい、食べて飲んだわね。もう、夕ご飯要らないわ」

洞木さんは、自分の作った料理が全部なくなって、満足そうにいった。

「そうね、アタシは大丈夫だけど、ミサトは年なんだから、太るわよきっと」
「ちょっとー、アスカ。年なんだから、とはなによ。ほんの、十程しか違わな
いわよ。ほんのちょーっち歳上なだけよ」

「あら、そうかしら?アタシ、アンタの同級生の年齢、知ってるんだけど、み
んなに、教えてもいい?確か・・・」
「ア、アスカ!わかったわよ。十ともう少しだけ、歳上よ。これで、勘弁して」

「いいわよー、別にアタシはべつに・・・」

「じゃあ、まあ、こんなとこで、今日はお開きってことで」

「そうね、じゃ、明日また、学校でね。アスカ、ちょっとは暇作って、私たち
にもつきあいなさいよ」
「そうね、でも、それなりに忙しいのよねー。やっぱり。まあ、所長程じゃな
いけどさ」

「まあ、いいわ。じゃあ、また、今日みたいに休みの日に遊びに来るからね」
「うん、待ってるわよ。でも、鈴原をほったらかして?」

「まあ、たまにはね。いつも、いっしょだからね。私たち」
「よくいうわね。ヒカリも」

「ヒカリー、行くでー。いつまで、しゃべっとるんや。置いてくでー」
「あー、ちょっとまってよ!じゃ、じゃあ、トウジがまってるから、また」

そういうと、慌てて、洞木さんは玄関へ向かった。

「まったく、ヒカリもあれだもんね」

アスカは呆れたようにつぶやいて、玄関へゆっくり向かった。洞木さんをのぞ
いて、みんな、すでに、靴をはいて玄関の外にいる。僕と、レイはみんなを見
送りに、玄関まできていた。

「今日は、たのしかったよ。みんな、ありがとう」
「・・・わたしも、たのしかった。ありがとう、みんな」

「ええんや、こんなことぐらいなら、いつだって、またやろうや」
「鈴原はなんにもしてないじゃない!全部、ヒカリじゃない」

「いいのよ、アスカ、手伝ってもらったし・・・それより、碇君、ごめんね、
散らかしっぱなしで、私だけでも残って、かたづけようか?」
「いいんだよ。今日は、いろいろしてもらったし、あとは、僕がやるよ」

「わたしも、てつだうわ」
「うん、ありがとう」

アスカは、聞こえているはずだが、聞こえないふりをして横を向いている。片
付けをする気はないようだ。まあ、僕はひとりでやるつもりだったのだが。

「じゃあ、明日、学校でね。もう、さぼっちゃダメよ」
「わかりました。ミサトさん。ホントに、昨日はごめんなさい」

「いいのよ。事情は分かったし。それに、たまにはね。じゃ、いくわよ」

ミサトさんは器用にウインクをすると、みんなをつれて、エレベータの方へむ
かった。一応、保護者のように、仕切っているみたいだ。

あとには、僕達三人が、ぽつんと残された。さて、片付けでもしようかと、お
もって、玄関から戻ろうとする時、アスカが僕にいった。

「アタシ、ちょっと、飲み過ぎちゃったみたいだから、ちょっと部屋でねるわ。
あと、お願いね」
「アスカ、ずるいよ。かたづけ、手伝ってくれないの?」

「アンタばかあ?このアタシが手伝うわけないじゃない」
「い、威張らないでよ。そんなこと」

「気を効かせてあげるっていってんのよ。約束したんでしょ!レイと」

アスカは、声をひそめて、そういった。『キスの約束』のことだろうな、やっ
ぱり・・・

「そ、そうか。ごめん、アスカ」
「いいのよ。かたづけ、手伝いたくないのはホントだしね。じゃ、夕ご飯には
起こしてよ」

「う、うん」


    ◇  ◇  ◇


僕は、レイとふたりっきりで、リビングへ戻った。祭のあとの残骸をみて、僕
とレイは、顔を見合わした。しかし、まあ、よく食べ、飲んだものだ。

「じゃ、じゃあ、とりあえず、全部、流しに運ぼうか」
「・・・そうね」

僕達は、散乱している。食器をあつめ、台所に運んだ。

「レイ、わるいけど、食器洗っててくれる?お湯使っていいからね。僕は、リ
ビングをすこし、掃除するよ。いろいろ、こぼしてるみたいだし」
「わかったわ」

「うん、おねがいするね。すぐ戻ってきて手伝うから」

僕は、ぞうきんを湿らせ、リビングへいき、汚れているところを拭いて、掃除
機をかけた。

「まあ、こんなもんだろう」

一応、きれいになり、納得して、台所へもどると、レイは食器を洗い終えて、
お茶をいれて、待っていてくれた。

「シンジ、お茶、いれたから、のんで」
「ありがとう、レイ」

僕は、レイのとなりに座り、レイのいれてくれたお茶をすすった。熱くもなく、
ぬるくもない。ちょうどいい温度だった。

「おいしいね、レイ」
「ありがとう。そういってくれて、うれしいわ」

レイもお茶に一口、くちをつけた。僕は、レイの唇が、淡いピンクなのに気づ
いた。いつのまにか、昨日、僕がかってあげた口紅をつけているようだ。

「レイ、その唇」
「うん・・・シンジとやっとふたりっきりになれたから・・・」

「うん、とってもきれいだよ」
「ありがとう、シンジ・・・」

なんて、健気なのだろう。レイは決して、『キスして』とはいわない。僕がす
るのを、じっと待っている。僕がその気になるのを。その真紅の瞳が期待で染
まっているのがよく分かる。僕は、そんなレイを抱きしめた。

「レイ」
「シ、シンジ」

僕があまりに強く、抱きしめたので、もともと華奢なレイは、びっくりしたよ
うに声をだした。

「痛い・・・でも、気持ちいい」
「ご、ごめん」

僕は、抱いている腕をすこし、緩めた。

「いいの、もっと強く抱いて、わたしをはなさないで」
「うん、レイ」

もう一度、強く抱きしめる。レイのからだは、こんなに細いんだ。ホントに強
く抱きしめるのが、こわい。壊れてしまいそうで・・・こんな小さなからだで、
たったひとりで、社会に放り出されて・・・い、いや。ひとりじゃない。僕が
いるんだ。

「シンジ・・・」
「うん」

僕は、一度、レイを抱いていた腕をゆるめ、レイの肩を掴んで、レイの瞳をみ
た。

「レイ、僕は・・・僕は、いつまでも、レイを守るからね。レイを守りきれる
ような、しっかりした男になるからね」
「うん、わたしもシンジにまもられる価値のある、素敵な女になるわ」

レイは僕を見上げながら、そういった。レイの瞳に、液体が浮かんで来る。涙?
そして、静かに目をとじると、レイの目から、大粒の涙がながれた。

僕は、ゆっくり、レイの唇に唇をちかづけ・・・レイの小さな唇に唇を重ねた。

レイの涙が僕の頬にも伝わる。僕は、もう一度、レイを抱きしめた。強く。

「レイ、なぜ、泣くの?」
「わたし、泣いてるの?」

「涙・・・流してる」
「・・・涙って、うれしい時にも、でるのね」

「うん、涙は、心が大きく、揺れ動く時にでるんだ。ひとは、そうやって、成
長して行くんだ・・・これで、僕達もすこし、成長したかな?」

僕は、いつの間にか自分も涙を流していることに気づいて、そういった。嫌な
涙じゃない。気持ちのいい涙を流している。僕もこんなのははじめてだ。

「レイ、ありがとう。こんな、僕を好きになってくれて・・・」

僕は、流れ出す涙をとめる術を忘れたかのように、いつまでも泣いた。レイは、
そんな僕を・・・僕の頭を、胸のまえに引き寄せ、微笑みながら、抱き抱えて、
つぶやいた。

「シンジ・・・ありがとう」


    ◇  ◇  ◇


「シンジ・・・落ち着いた?」
「う、うん。ごめんね。みっともないところ、見せちゃって」

僕は、レイの胸から、頭をあげ・・・レイは名残惜しそうに、手をはなし・・・
答えた。

「ううん、うれしいの。シンジがわたしのまえで、そうして、泣いてくれて」
「どうして?僕は、なんで自分が泣いているのかもわからず、泣いていたのに」

「ううん、わたしもわからないけど。ただ、シンジがわたしの胸のなかで・・・
胸にすがって、安心してくれたから・・・感じたから」
「うん。ありがとう。レイ」

「・・・・お茶、冷めっちゃったわね。もう一度、いれるわ」
「う、うん。そんなの僕がやるよ」

「いいの、座ってて、いれてあげたいの」

レイは、もう一度お茶をいれて、持ってきてくれた。

「さっきのキスは、約束したから・・・私が無理矢理、約束させたから・・・
したんじゃないわね」
「う、うん。そんなの・・・もちろん、忘れてたわけじゃないけど・・・そん
なの関係なく、その・・・気がついたら・・・」

「ううん、そうじゃないの。でも、それなら、今度は、もう一度のキスをして、
今度は、約束した分」
「レ、レイ!」

レイは立ったまま、悪戯っ子のような瞳で、僕にそんなことをいったので、僕
は驚いて、レイを見つめた。レイは微笑みながら、僕をみている。

「そんな、キスなんてホントは『して』なんていって、するもんじゃないんだ
よ」
「そうなの・・・」

「そうだよ」
「じゃ、わたしから・・・」

そういうと、レイは、僕の横から、体を斜めに曲げて、僕の唇にかるく唇をく
っつけた。そして、もとの体勢に戻ると、レイは、唇に右手をやって、微笑み
ながら、ささやいた。

「・・・お返しよ」
「あ、ありがとう」

そんな、悪戯な天使のようなレイを、唖然と見つめた。

つづく

あとがき どうも、筆者です。第7話「約束」をお届けしました。 今回は、前回の反動もあって、少し、短めになってしまいましたが、 とにかく、めでたいですね。 ホントに、この歓迎会はいつまで続くんだという感じでしたから。 ちょーっち、最後のほう、ミサトさんがいなくなったように 黙ってしまってましたが、いったいどうしたんでしょうね?(って?) とにかく、めでたいです。 筆者もかなり照れながら書いたわけですが、(何を?って、分かってるくせに!) めでたいです。 レイが幸せなら筆者はそれでいいのです。 で、今回の話で、導入部がようやく終ったのです。 (そんなのあったのかって?あったのです) 次回からは、いきなり、時系列が飛ぶと思います。 それで、レイとシンジは本格的にらぶらぶなのです。 たぶん、いままでと、雰囲気も違っていることでしょう。 まあ、とにかく、筆者も、『レイ』と書く時に ようやく『あy』と書きかけてしまうこともほとんどなくなって、 あとがきでも『レイ』になったので、 このへんで、時期的にちょうどいいと思ってます。 ところで、アスカをどうしようか? そして、リツコさんをどう扱おうか? 碇所長はいつ登場させようか? それから、ケンスケをどうしようか? (ケンスケについては、今回、いろいろ考えてたのに、 写真にばっかり、夢中になっちゃってさ。 もう、知らんぞ!・・・なんて、ホントにどうしようか?) と、いろいろ考えていまして・・・・ まあ、すべてはこれから、なのですが、先が楽しみです。 ホント、筆者にも今後どうなるのかわからないから・・・ それでは、 もし、あなたがこの話を気に入ってくれて、 そして、もしかして、つづきを読んで下さるとして、 また、次回、お会いしましょう。

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