レイが好き!
第八話
告白


レイがうちにきてから、10日あまりがたった。

アスカの部屋のリフォームもおわり・・・すっかり、女の子の部屋になってし
まい・・・アスカは、隣の部屋に引っ越していった。といっても、朝は、あい
かわらす、僕が起こしていたし・・・さすがに、おはようのキスとまではいか
ず、電話をかけるだけだが・・・朝食も食べにきたし、帰って来ると、風呂に
入りにきて、遅くまで、うちで、過ごすので、いままでとほとんどかわらない。

『そのうち、壁に穴でもあけてもらわないとね』

なんて言い出していたくらいだ。それはいくらなんでも、と思うのだが、アス
カならやりかねない。

『アンタたち、ふたりにしとくのホントに心配なのよねー』

とアスカはいってくれるのだが、アスカも実はひとりになるのがさみしいのか
もしれない。それでも、レイのことは、本当に心配してくれて、親身になって、
僕の相談にも乗ってくれるし、レイもいろいろアスカに質問しては、アスカを
困らせていた。

レイは、そんな、アスカからの答え、アスカの困った様子から、もちろん、僕
からも、洞木さんたちからも、いろんなことを吸収していって、いろんなこと
を・・・身につけたかどうかは別にして・・・覚えていった。

そんな、レイを・・・レイの変化を・・・僕はうれしく眺めた。いまのレイか
らは、あの、妖精のような神秘的な不思議さは、あまり感じられなくなってき
た。それは、少し、残念なことでもあるのだが、レイが、人として、成長して
きた証しのように思われて、嬉しかった。

もちろん、レイが変わったからといって、僕のレイに対する想いが揺らぐこと
はなかった。

『シンジにまもられる価値のある、素敵な女になるわ』

そんなレイの変化は、あのレイの言葉を思い出させる。レイは、僕のために、
僕に好かれる女性になろうと、懸命に努力してくれている。

そんな、健気なレイをみて、僕は、レイが、以前よりももっと、好きになって
いった。いまのレイは本当に素敵だ。なにかに一生懸命な女性というのは、と
にかく、素敵なのかも知れない。でも、いまのレイはとても輝いて見える。

特に、料理をしている時のレイは、嬉しそうに輝いている。

「シンジ、お待たせ。さあ、たべましょ!」

僕が、朝食を用意しているレイをぼっと眺めながら、そんなことを考えている
とレイは、両手に皿をもって、振り返って、テーブルに皿をおき、カップをも
って、僕のむかいにすわった。

「はい、これ、シンジの分」

今朝は、コーヒーにトーストにスクランブル・ベーコン・エッグというメニュ
ーだった。

「う、うん。じゃあ、いただきます」
「いただきます」

アスカは、昨日かなり遅く帰ってきて、今日は、昼から出勤ということで、ま
だ、部屋で寝ている。

僕とレイは、交替で、料理を作ることにしていた。僕も、レイに料理をつくっ
てあげたいし、レイも、そう思ったからだ。二人でつくるというのもたまには
いいが、そんな大げさな料理は滅多につくらないので、二人で相談して、そう
決めたのだ。

「レイ、今日は、父さんの給料日なんだ」
「給料日?」

「そう、だから、帰りに銀行にいって、生活費と、僕達の小遣いをおろしにい
くんだけど」
「わたしも、ついていくわ。銀行はじめてだもの・・・わたし達の小遣い?」

「そ、そう。レイは、小遣いってはじめてだよね」

そうだ。もちろん、これまでも、レイが必要なものや、欲しいものなど、いろ
いろ、買いものはしていたのだが、全て、僕が支払っていたのだ。

「小遣いっていうのは、自由に使っていいお金のことで・・・いままでは、全
部、僕が払ってたけど・・・レイも、僕に内緒でとか、自分で買いものしたい
ものもあるだろうし、レイにも、小遣いを渡そうと思って」

「わたし、シンジに内緒にしなければならないものなんて・・・そうね・・・
やっぱり、もらうわ。シンジ、ありがとう」

レイは、なにを思いついたのだろう?にっこり笑いながらそう答えた。

「い、いや、それは、僕にじゃなくて、父さんにいってよ。父さんのお金だし。
それに、レイも自分の欲しいものを自分で決断して買うっていうのを覚えない
といけないと思うし・・・」

「そうね・・・やっぱり、ありがとう、シンジ。いつも、いろいろ、わたしの
こと考えてくれて」
「それは、いわないって約束したじゃないか。あたりまえなんだからって」

「そうね。ごめんなさい」
「それも、だよ」

「もう、シンジのいじわる!なんにもいえないじゃない」
「ハハハ、ごめんごめん。じゃあ、そろそろ行こうか?」

「そうね」

そういうと、レイは、真っ赤になりながら、食器を流しへ運び、素早く、洗っ
て、食器たてにたててから、部屋に戻り、鞄をもって、玄関へ急いだ。僕は、
ゆっくりと、自分の部屋から鞄をとって、玄関でレイをまつ。

「「いってきます」」

誰もいないはずの部屋にむかって、こう挨拶をして、玄関をでた。レイは、僕
の左側に寄り添って、右手で、僕の腕を軽く掴んでいる。僕が目で合図して、
歩き出すと、レイもすこし遅れて、歩き出す。その歩みは、もう、ひとりの時
とかわらないぐらいスムーズになっていて、二人のこれまでのあゆみのように、
一歩一歩、着実に踏み出されていった。


    ◇  ◇  ◇


学校でのレイは、まだ、かなりおとなしい方だが、それでも、以前のような近
寄りがたさがなくなってきたのか、いろいろ他の人と話しをするようになった。
ただ、今度は、僕の存在が・・・他の男子がレイに気軽に話しかけるのをため
らわせているようだった。それは、レイにとって、いろんな人を知るという意
味で、マイナスかも知れない。

でも、それは、しょうがない。僕は、レイがトウジなんかと楽しそうにしゃべ
っているのを見ても、なんだか、腹が立つというか・・・くやしいから。これ
は、僕のわがままな嫉妬だ。でも、レイは、僕が他の女の人と・・・例えば、
アスカと、まあ、アスカは特別にしても・・・親しげに話をしているのをどう
感じているのだろう?

そ、そんなことは、いくら考えたって、しょうがない。人は、他人との接点を
絶って、生きていける訳がないのだから。まあ、あえて、レイに『もっと、他
の男子に声をかけてみたら?』なんてことを言おうとは決して思わないが。

「シンジ、また、綾波をみてるな?」
「あ、ああ、ケンスケ・・・うん、レイも、明るく人と話すようになったなあ
と思って」

「そうだな。ほんの2週間ほどで、ずいぶん明るくなったよな」
「うん」

ケンスケも、レイの人を寄せつけない雰囲気を気にしてたようで、嬉しそうに
そういった。

「それより、さっきのテストどうだった?俺、サイテー。なんで、日本人なの
に外国語なんて、やらなくちゃならないんだろうな?」
「でも、ケンスケは、国際派のカメラマンになるんだろ?」

「そうかー、やっぱり、もっと勉強しないとだめなのかなあー?でも、会話と
学校の英語とは、だいぶ、ちがうっていうぜ」
「そうかもしれないけど、でも、そんな点数じゃ、どっちみちダメなんじゃな
い?」

僕は、返してもらったばかりのケンスケの答案をうしろから見えていたので、
そう、つっこんでやった。

「見、見たのかよ。じゃ、じゃあ、シンジはどうだったんだよ。見せてみろよ」
「ヤダよ。答案なんて、人に見せるものじゃないだろ」

「卑怯な奴だな。俺のは見たくせに」
「み、見えちゃっただけだよ。それに・・・僕も、まったく同じ点数・・・だ
った」

「シンジ!おまえもか!心の友よ。さすが、俺の親友だ。お互い傷をなめあっ
て、いきていこうな」
「き、気持ち悪いよ。ケンスケ」

いきなり、ケンスケは僕に抱きついてきて、なめようとしてきたので、慌てて、
振りほどくいて、僕は、そういった。

「まあ、ホントに、俺たちもっと、頑張んないと、まずいよな」
「うん」

「お前ら、なに、ふたりで、なかよく。なぐさめおうとんねん」

さっきまで、レイと・・・洞木さんもいたが・・・楽しく話していたトウジが
割り込んできた。

「さっきのテストだよ。トウジはどうだった?」
「わいはばっちりや。86点。ヤマがばっちりあたったさかいな」

「いいよなー、トウジは、洞木さんがついてるから」
「あほー、これは、わいの力やないか。実力やで」

「ほー、トウジ、ヤマ張ってあげたのは、どこのどなただったかしら?」
「ヒ、ヒカリ!きいとったんかいな。確かにヤマ張ったんは、ヒカリやけど、
わいも、すこしは勉強したがな」

「そうね。それより、すごいのよ。レイって満点よ」
「そ、そんな。ヒカリだって、ほとんどかわらないじゃない」

レイも、洞木さんについてきていて、顔をだして照れた。

「そう、私は一問、間違えちゃったのよねー。ホント、なんにも知らないよう
な顔して、実は、優等生だったのよね。レイって」
「ううん、他では、ヒカリにはかなわないもの」

「そんなこといって、数学とか物理とかは得意なんでしょ?」
「そうだけど・・・」

レイは、なんといって答えていいか困ってる様子で、僕をみた。

「ほ、洞木さん。そのへんで勘弁してあげてよ。困ってるじゃないか」
「あら、やさしいのねー、碇君。いいわ。でも、次は負けないわよ、レイ」

洞木さんは、そういうと、トウジをつれて、席に戻った。ケンスケも前を向き
なおり、次の授業の用意をしだした。

「ありがとう。シンジ」
「うん、どういたしまして、レイ」

僕達はニコッと笑って、そういった。

本当にレイは、学校の勉強は良くできる。数学と物理と英語は、ほとんど完璧
だし、そのほかの教科も一通り、理解しているようだ。さすがに研究所育ちと
いったところだが、いったいどうやったらこんな偏った教育ができるのだろう?
育てた人・・・たぶん、赤木リツコ博士という人・・・の顔が見てみたい。

そんなことがあったが、その日の午前中の授業も無事に過ぎていった。お昼に
は、レイが作ってくれた弁当・・・これも、交替で作っている・・・を、屋上
でふたりで食べる。トウジたちは相変わらず、ふたりで、どこかへ消えてしま
うし、ケンスケは、『幸せものはふたりでどうぞ』といって、学食へいってし
まうのだ。


    ◇  ◇  ◇


「おいしいね、レイ。ホントに、レイって、料理、上手だね。まだ始めたばっ
かりなのに」
「きっと、シンジのことを想って、こころを込めて作るから」

僕達は、屋上でふたりで、弁当をたべる。本当に、レイは料理が上手だ。レイ
は、照れもせず、こんなことをいってくれる。僕は、そんなレイの言葉に照れ
ながら、答える。

「ありがとう、レイ。そういってくれて、嬉しいよ」
「ううん、シンジこそ・・・・シンジがいるから、いまのわたしがあのるだも
の」

「うん、そうかもしれない。でも、それは、レイの、レイ自身の力だよ。僕が
いなくたっって、きっと・・・・きっかけさえあれば・・・・」
「そのきっかけが、シンジだったの。だから・・・ありがとう」

「う、うん」

レイは、僕をそんな風に考えていてくれる。僕に感謝の気持ちをもって接して
くれる。それは、恋なのだろうか?・・・・いや、きっと、違う。ただ、特別
な人間という認識に違いない。この、まるで、恋人同士のような振る舞いも、
レイには、そういう意識はないだろう。ただ、仲良くしているだけなのに違い
ない。

「レイ」
「なに?シンジ」

「い、いや。なんでもないんだ・・・・ただ、呼んでみたくなっただけ」
「・・・・そう。うれしい」

それでも、僕は、こんな状態でも・・・・満足はできないけど・・・・それで
も、やっぱり、嬉しい。なぜなら、レイが僕のとなりにいる。そして、呼びか
ければ、答えてくれる。それだけで・・・・僕は、嬉しいんだ。

「シンジ・・・・」
「なに?」

「ううん、呼んでみただけ」
「まぁったく!すぐ、まねするんだから!」

「ふふふ」
「なんで笑うのさ?」

「だって、シンジ、わたしが真似するってわかってるのに、そんなことするか
ら」
「そうやって、レイまで僕をからかうんだね?アスカみたいに」

「そうね、アスカは、わたしの目標だもの」
「そ、そうなの?困るよ、そんなの。アスカがふたりもいたら、面倒みきれな
いよ」

「冗談よ。わたしはわたし。アスカはアスカ。わたしはアスカよりも素敵な女
になるのよ」
「素敵な女かー。僕もちゃんとした男にならなきゃな。レイに見捨てられたら、
僕はもう生きていけそうにないしね」

「ばかねえ、そんなことあるわけないじゃない。わたしは、シンジを愛してる
わ。いつまでも、それは変わることはないわ」

僕を愛さなければいけない。そう、レイは思ってるんだ。そして、それが変わ
ってはいけないと・・・・でも、レイがホントの恋をした時、それは、どうな
るだろう?

「うん、ありがとう。僕も愛してるよ」
「シンジ、信じてないでしょ?」

レイは、拗ねたように僕の顔をしたから見上げていった。

「そ、そんなことはないよ」
「うそ。わかるもの」

そんなに、僕は、思ってることが顔に出るのだろうか?

「そ、そう?」
「ほら!やっぱり」

「ず、ずるいよ。そんな誘導するなんて!」
「でも、わかるもの・・・・わたしがシンジを愛する・・・・これは、うそで
はないけど。でも、不安・・・・本当に、わたしに人を愛することが、出来る
の?・・・・この愛は、ヒカリや・・・テレビや・・・・漫画の単なる真似な
の?」

レイは、瞳の奥に悲しみを湛え、不安な様子は、僕にも伝わって来る。レイは
強い。自分が普通の人とは違うということを克服しようと一生懸命だ。でも、
やはり、常に不安なんだ。それなのに、僕は、自分のことばかり考えていた。
ただ、レイが普通の女の子のようになってきたのを嬉しく思っていただけだ。
その過程で、不安がなかったわけはない。それなのに、僕は、レイのそんな気
持ちを分かってやれなかった。

「レイ!」

僕は、レイを抱きしめた。

「ごめん、レイ」
「・・・・うん。いいの・・・・いわないで」

レイは、僕の一言で、僕がなにをいいたいのか理解する。僕は、レイを更に強
く抱きしめる。

「シンジ、痛い」
「・・・・でも、放したら。レイがいなくなっちゃいそうで・・・・」

「そんなことはしないわ」
「わかってる。でも・・・・」

すこし、手をゆるめる。

「わたしは、大丈夫だから」
「うん。ごめん」

僕がレイを抱きしめているのに、なぜだか、僕がレイに抱きしめられているよ
うな感じ・・・・暖かく、懐かしい感じ・・・・お母さん?

僕は、レイをやさしく抱きしめつづける。

「シンジ・・・・わたし、シンジにいわなければ、ならないことがあるわ」
「なに?」

僕は、ゆっくり、レイを放すと、レイの瞳を見た。さっきの不安はもうない。
まっすぐな瞳。

「いつか、いわなければいけないと思っていたわ」
「・・・・」

なにもない表情。なにをいいだすのだろうか?

「・・・・わたしは人ではないの」

「そ、そんな!レイは人間だよ。なにいってんだよ」
「ううん。わたしは、合成されたの。化学的に、人工的に合成された・・・・
それも本当は、失敗作・・・・」

「・・・・」

僕は、なにもいえなかった。

「アスカはきっと、知ってるわ」

アスカはたぶん知っている。僕には知らなくていいといった。

「シンジ・・・ごめんなさい。いままで、いえなくて・・・・」

僕は、もう一度、レイを抱きしめる。強く、強く。

「レイはレイだよ」
「シンジ・・・・・」

「お願いだから、人じゃないなんていわないで」
「・・・・でも、それが事実なのよ」

「レイはレイだよ。それも事実だよ」
「・・・シンジ・・・」

「レイはレイだよ」
「わたしはわたし。わたしはこういう存在。それでいいの?」

「それでいいんだ。僕は、レイが好きなんだから」
「わたしは・・・・いらなくなった失敗作・・・・」

「レイはいらなくなんてないよ。僕にはレイが必要だよ。レイがいなかったら、
僕は・・・・」
「・・・・シンジ・・・・」

僕はショックだった。レイがそんなことを思って生きてきたなんて、たしかに、
そんな生い立ちは想像もつかない程、悲しいことかも知れない。でも、そんな
レイに・・・・レイがそんなことを思って生きていたことに、僕は気づいてや
れなかった。レイがそんなに苦しんでいただなんて。

「ごめん、レイ。でも、僕は、レイのそんな苦しみを拭い去ってやることは、
きっと、出来ないよ」
「ううん」

「僕がもっと、しっかりした男なら・・・・レイがそんなに苦しんでるのに・・・・
なにもできないなんて・・・」
「ううん。シンジにはわたしが必要。その言葉が、わたしの生きがいよ」

「でも・・・・」
「ううん、いいの」

「レイ、愛してるよ」
「やっぱり、そういってくれるのね。シンジは優しいから・・・・だから、わ
たしも、シンジを愛するの」

「本当に、愛してる。レイ」

強く、強く、レイを抱きしめる。そうしていないと、レイは、本当にどこかへ
いってしまう。消えてしまう。そんなのは嫌だ。レイは、いつも僕と一緒にい
るんだ。

「レイ!このまま、僕とどこか遠くへいってしまおう」
「それは、ダメ。どこにも逃げる場所はないわ」

レイは、わかっている。逃げることが解決にはならないことを。レイは、強い。
僕はなんて弱い人間なんだ。

「強いんだね。レイは」
「そう。だから、わたしがシンジを守るの。だから、どこへもいかないわ」

「ありがとう。僕はダメだね」
「うん。でも、あせることはないわ。一緒に成長していくって、いったのはシ
ンジよ」

「でも、レイには、もう、だいぶ、置いてかれちゃった」
「そんなことはないわ。わたしも不安でしかたないもの。でも、シンジがいる
から。わたしにはシンジがいるから・・・・シンジがわたしを愛してくれるか
ら・・・・わたしがつくられた存在だと知っても、そうして変わらず、愛して
るといってくれるから・・・・」

「レイ」
「だから、わたしもシンジの・・・そんな存在になりたい」

「ありがとう、レイ」

僕は、もう一度、強く、レイを抱きしめたあと、ゆっくり、レイから手をはな
した。レイの表情が、ゆっくりと変化する。なにもなかった表情から、悪戯な
天使のような表情へと。

「痛かったわ、シンジったら。わたしはかよわい女の子なのよ!もっと、やさ
しくしてくれなきゃ」
「ご、ごめん。レイ」

「うそよ!さっ、教室いきましょ!そろそろ、お昼休み、おわるわ」
「そうだね・・・・」

レイは、たったいままでの出来事がまぼろしだったかのように、明るくそうい
った。僕は、その豹変ぶりに驚いた。レイは本当に強い。僕はレイに微笑みか
ける。レイもニッコリわらって、僕を見た。

「それとも、このまま、さぼっちゃおっか?」
「ええ?」

「そうしましょ!・・・いいじゃない。たまには」

レイは、僕の腕を掴んで、ひっぱりながら歩き出した。これは、ちょっと変わ
りすぎなのでは・・・・ホントにアスカがもうひとりいるみたいだ。

「シンジ!心配しなくても大丈夫よ。シンジは、わたしがまもるってあげるか
ら!」

つづく

あとがき どうも、筆者です。 今回も、比較的短かったですね。 というか、第六話までの一話一話(第五話はいいとして・・・)が長すぎたようで、 今後は、このくらいの長さの話がつづくと思います。 まあ、レイがすらすら喋ってくれるようになったんで、 「・・・・・」の分がなくなったと考えてくれれば・・・・(?) で、内容ですが、 なかなか、銀行にいってくれません。 なぜ、お弁当をたべてるだけで、ああなってしまうのか? レイまで、筆者のいうことをきかなくなってしまった。 いったい、今後どうなっていくのだろう? 今回は、「お小遣い」という題名のはずだったのに・・・・ ・・・・なんて、グチッてもしょうがありませんが・・・・ レイの秘密も、こんなところで、少し明らかになってしまいました。 当然、アニメの本編とは異なります。 しかし、人を化学的に合成するというのは可能だろうか? 不可能ではないだろう。なぜなら、人の構成物質を、人と同じように 並べていけば、出来るはずだから・・・・(ほんと?) このへんのはなしは、そのうち増刊号にでも書こうかと思ってますが、 どうなるでしょうね? 次は、とりあえず、マスターの喫茶店かな? それとも、銀行かな? それでは、 もし、あなたがこの話を気に入ってくれて、 そして、もしかして、つづきを読んで下さるとして、 また、次回、お会いしましょう。

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