レイが好き! 第36話 機嫌良好

「ねぇ、シンジ」 「ん?なに?レイ」 夕食後、僕はいつものように、流しで食器を洗っている。 レイは、テーブルについて、お茶のおかわりを飲みながら、僕の後ろ姿を 見ている。一日おきに繰りかえされる普通の夕食後の風景だ。 そして、一日おきに、今度は、僕が、レイの後ろ姿を眺める日がくる。 「最近、アスカ全然帰ってこなくなっちゃったわね」 「うん、なんか、忙しいとか言ってたけどね。年度末は、そんなもんなんじゃない? 去年も、確か、年度末は、いろいろと忙しかったようだし」 「ふーん」 「さびしい?アスカがいないと?」 「うふふっ、シンジがいるから平気って、言われたいんでしょ?」 「あはは、べつにぃ〜」 「そう!じゃあ、実は、ちょっと寂しいかな?」 「もう、酷いな。レイは。 それじゃあ、なんかアスカのことどうでもいいように聞こえるじゃない」 「じゃあ、シンジは?」 「え?僕?」 「そう。わたしがいても、アスカがいないと寂しい?」 「うーん、まあ、アスカがいると、賑やかでたのしいけどね。 それに、レイがとってもおしとやかにみえちゃうから、面白いしね」 「もう!それ、どういう意味よ!」 「あはは、もうちょっと待ってよ。もう、終わるから」 僕の背中を可愛らしい握りこぶしが踊る。 僕は、食器を食器立てにたてると、手を洗って、エプロンをはずしながら、 振りかえる。 しつこく僕を小突いていたレイの両手をそっと受けとめて、握りしめると、 じっと、レイの真っ赤な瞳を見つめる。 レイは、ほんのり頬をピンクに染めて、じっと、つかまれた両手をみる。 「ふふふ。ね、おしとやかでしょ?レイって」 「もう!」 レイの真っ白なほっぺがぷうっと膨らむ。 「さってぇ、今日はなにか面白いテレビなかったかなぁ?」 僕は、すっと、レイの手を話して、リビングへと向かう。 レイは、もちろん、僕の後を追いかけてくる。 「もう!ずるい!シンジ、自分ばっかりぃ!卑怯よ!」   ◇ ◇ ◇ 「寒いわね、まだ・・・」 「うん」 「ありがと」 おもしろそうなテレビもないので、レイの提案で、夜の静かな道を散歩に出た。 僕のコートの中で、小さなレイが僕に小さくささやく。 「レイ?」 「なぁに?シンジ」 僕が名前を呼ぶと、そっと見上げるようにレイは、僕の方を振りむく。 「どこ行くの?これから」 「そうねぇ、じゃあ、アスカのとこ!」 「え?研究所?いいの?レイ」 「なにが?」 「だって、レイは・・・いや、別に、その・・・」 「なーんだ、シンジ、そんなこと気にしてるの?」 「別に、気にしてるわけじゃないけど・・・」 「うふふっ、ありがと、シンジ。でも、わたしは平気。だって・・・」 「だって?」 「なーいしょっ」 「内緒っていうか・・・」 「そゆことよ。そういうことっ!」 「あははは、分けわかんないよ、レイ」 「いーのっ!なんだか、ちょっと熱くなってきちゃったわ」 レイは僕のコートの中からぬけ出して、僕の前を歩きながら伸びをする。 「あぁ、キュークツだった」 「ひ、ひどいよ!そんないいかた!レイが寒いっていうから・・・」 「うふふっ」 「ちぇっ」 「すねないのっ」 そういって、レイは、僕の腕に抱きつくように腕を絡める。 「まったく・・・」 なんだか、今日は、レイに振りまわされっぱなしだな・・・なんて、 思いながら、それでも・・・やっぱり・・・・ 「ありがと」 「なにが?シンジ」 レイは、にっこりと笑って、僕の方を見つめる。 「なーいしょっ。ほら、前むいて歩かないと転ぶよ。レイ」   ◇ ◇ ◇ 「それでアンタたち、アタシにかこつけて、夜のデートだったってわけね?」 「ち、ちがうったら、なんだか、最近ずっとアスカとはすれ違いばっかりだった から、それで、たまには、って・・・」 「はいはい、まあ、いいわよ。でも、まだ帰れそうにないのよね・・・なかなか この計算が終わんなくてねぇ、これで、最新のスパコンだってんだから、 たまんないわよ」 「大変そうねぇ、アスカ・・・ところで、ここって、掃除してくれる人とかって、 いないものなの?」 「掃除?」 「確かに・・・すごいね、この部屋」 こういう部屋で、その・・・いわゆる最先端の科学っていうのが・・・ 「う、うっさいわね、これでも、ましなほうなのよ!他の部屋、例えば・・・ ちょ、ちょっと、その辺触らないで」 「あ、ああ、ごめん、ちょっとスペースをあけようと・・・」 「ああ、ちょっと!それでなくても、何がどこいったか分かんなくなってるんだから」 「な、なるほど・・・」 なんだか、壮絶な部屋にちょっとびびってしまうが、やっぱり、その・・・ 最先端の科学って、いったい・・・・? 「なによ、その呆れたような顔は?」 「いや、その・・・こういう所で、アスカって、毎日仕事してるんだなって・・」 「昔、わたしがいたところは、もっと・・・」 「なに?なにか言った?レイ」 「え?ううん。アスカ、この頃、ずっと遅いじゃない?ちょっと、心配だったのよ。 でも、元気そうで安心したわ」 「元気って・・・まあ、死んじゃあいないけどねぇ・・・ あああぁ!なんだって、年度末なんてものが毎年毎年くるのよ!」 「そんなに忙しいの?」 「忙しいなんてものじゃないわよ。あらゆるものが年度末〆切なのよ。 もっと、分散させてくれりゃあいいのにさ、まったく・・・」 「でも、それって、もしかすると、〆切間際まで、さぼってたから・・・とか?」 「うっ」 「そんなことないわよね?アスカ。シンジ酷いわよ、そんな風にいったら」 「・・・・今日は、かえる!」 「え?」 「もう、いいわよ!今日はやる気なくなった。もう、帰る!」 「で、でも、いいの?計算中なんじゃ?」 「いいのよ、こんなボロコンピュータ、ほっぽらかしときゃ、明日の朝には、 終わってんでしょ。・・・・まあ、うまくいってれば・・ね・・」 「そ、そういうもんなんだ・・・」 「とにかく、帰るわよ!ああ、お腹すいた。当然、晩ご飯、用意できてんでしょうね? シンジ」 「え?・・・いや、それは・・・」 「うふふっ、大丈夫よ、なにか、わたしが作るから」 「そっ、ありがと、レイ、じゃ、ちょっと待ってて、一応、これだけ、ちょっと、 済ませちゃってから・・・」 そういうと、アスカは、意味不明な紙束をもって、部屋を出ていった。 残った僕達は、お互いに顔を見合わせて、にが笑いを浮かべる。 「邪魔しちゃったかな?」 「そうね。でも、たまには、いきぬきしなくちゃ」 「まあ、そうだよね。それにしても・・・」 「うふふっ、なんたって、アスカの部屋ですもの」 「ま、まあね」  ガチャッ 「さっ、帰るわよ。何アンタたち、ニヤニヤしてんのよ?」 「「べつにぃ」」 「ちょっと、感じ悪いわね。言っとくけど、今日、アンタたちは、アタシの仕事の 邪魔を・・・つまり、人類の科学の発展に極めて大きな遅延を引き起こさせることに つながりかねない大きな犯罪を侵したんだってことを・・・・ふぅ、聞いてないでしょ?」 「え?なに?アスカ」 「うふふっ、かえりましょっ、アスカ」   ◇ ◇ ◇ 「はぁ〜、いいわねぇ、やっぱり、我が家は」 「でしょう?はい、ビール」 アスカが疲れたようにテーブルにつくと、レイが冷蔵庫からとりだした ビールをアスカの目の前に置いて、にっこりとアスカに微笑みかける。 「・・・・なんか、気持ち悪いほど、サービスいいわね。 いっとくけど、なんにも出ないからね」 「うふふ、いま、なんか作るからね。アスカ。はい、シンジにも」 そういって、レイは機嫌よさそうに笑いながら僕にもビールを渡す。 「じゃ、アスカの相手、お願いね。シンジ」 「あ、ありがとう・・・」 僕は、ビールを受け取って、アスカの向かいに座る。アスカが、 ビールを飲みながら、テーブルに乗り出すようにして、僕に話し掛ける。 「ちょっと、シンジ。なにがあったの?」 「え?」 「あの子、なんか、今日、妙に機嫌いいじゃない」 「そ、そうかな?」 「そう思わないの?」 「でも、レイは、いつもでもにこやかにしてるよ」 「うーん、そうねぇ・・・つまり、最近のレイをアタシは見てなかった ってことなのかしら?」 「・・・どういうこと?」 「アンタばかぁ?だから、レイが変わったっていってるのよ」 「・・・そうかな?」 アスカがそんなことを言い出したので、僕はちょっと考えながら、 答えて、レイの方を眺める。アスカは、グビリっとビールを一口のむ。 「まっ、楽しそうなら、それでいいんだけどさ。なんだか、あの子、 だんだん、普通の女の子になってきちゃったなぁと思うと、つまんないわね」 「そうかな?」 「まっ、アンタには、相変わらず、特別な女の子なんでしょうけどね」 「と、特別な・・・って・・・」 「そう?そろそろ、飽きてきた?」 「そ、そんな!飽きるなんて!」 「まっ、アンタは、それで、幸せよね」 アスカが僕の顔に向かって、にこっと笑う。 「アスカぁ、久しぶりに帰ってきて、シンジをいじめないでね」 レイが料理の皿をテーブルに運んで、僕の隣に座る。 「さっ、それじゃあ、レイも揃ったことだし、乾杯よ!」 「うふっ、そうね。じゃ」 「う、うん」 「「「かんぱーい」」」
つづく

あとがき ん〜、筆者です。 んん〜・・・オチがぁぁぁぁ〜・・・(><)8 とゆわけで、落ち無しです(きっぱり) ちなみにですね。プロットなにも考えず書いた典型です(きっぱり) しかも、多分、失敗した方の・・(ぼそっ) あーあ、だからなぁ・・・ ・・こういう書き方は、つまり、ノッてる時しかできないんだなぁ・・・ とりあえず、 「ねぇ、シンジ」 を書いて、うーん、と考えて、 「ん?なに? から、無理矢理つづけただけだもんなぁ・・・ しかも、つまりは、筆者の個人的な愚痴だらけになったし・・(意味不明) アスカさんっていったい何の研究してるんだろうねぇ? しっかし・・・題名・・・つ、辛い・・ うーん、次はどうしようかなぁ? 折角、マナチャンでてきたのになぁ〜 ぢゃ!そゆことで それでは もし、あなたがこの話を気に入ってくれて、 そして、もしかして、つづきを読んで下さるとして、 また、次回、お会いしましょう。

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